4月発売の食の専門誌3誌が中華をフィーチャー!各誌それぞれの中華特集をご紹介します。

春の中華特集がアツい!食の雑誌3誌揃い踏み

年度はじめの4月は、入学・入社・部署移動と新たな出会いが多い季節。誰かと距離を縮めるには、おいしい食事を共にするのが一番ですよね。特に中華は、老いも若きも大勢でも少人数でも楽しめるもの。歓迎会の候補店になるのもうなずけます。

そんな理由があるかないかはわかりませんが、2015年4月は、食の雑誌3誌がなんと中華を特集。しかも今回は、我々80C(ハオチー)編集部員が登場する媒体もあるんです。それぞれに独自性のある中華特集、さて、その企画趣旨や内容は…?聞ける範囲で、各誌編集部に取材してみました!

●潔い表紙に期待大!『dancyu』

まず、がっつりと特集するのが『食こそエンターテインメント』のキャッチフレーズでおなじみ、グルメ雑誌界の雄『dancyu』。

見てください。この潔い表紙。クラシックな中国料理・糖醋丸子(肉団子の甘酢がけ)のシンプルで力強いビジュアル。ここ最近の表紙の中ではずば抜けて料理が際立っているじゃありませんか。

『dancyu』『dancyu』2015年5月号
全国書店にて4月6日(月)発売
発売:プレジデント社
880円(税込)
http://www.president.co.jp/dan/

2015年4月号の「次号予告」には中華を特集すると書いてあったため、早速問い合わせてみたところ、編集部の方針で情報開示はしないとのこと。しょっぱなから申し訳ありませんが、すばらしい肉団子の表紙で、あれこれ想像していただけますと幸いです。

なお、同誌には80Cを運営する中華・高橋グループの小売店「日本橋 古樹軒」が企画する、名店シェフ監修の中華総菜「あつらえ厨房」シリーズも掲載されています。ぜひこの機会にお手に取ってご覧ください。

●創刊以来初の中華特集!『料理通信』

次に、世界の食のニュースから店づくりのコツに至るまで、広く深い記事でプロの料理人の読者も多い『料理通信』が第二特集で中華をフィーチャーしています。同誌は創刊以来、今回が初の中華特集となるそう。中華応援団の80Cとしては感無量です!

『料理通信』『料理通信』2015年5月号
第二特集「中華のニュースタンダード」

初の中華特集に至った理由を尋ねると「気がつかないうちに中国料理界、オモシロイことになってない?」と思ったのが企画の発端と話してくれたのは、特集を担当した編集部の林律子さん。

「ワイン好きを筆頭に、仏伊など中華以外の人気店の料理人さんが、揃って詣でて盛り上がっているのが、ことごとく中華だったりするんです。試しに話題の店を数店回ってみると、どこも満席。ある店は料理も雰囲気もディープで、ある店は“黒板”の料理が充実し、またある店はカウンターがあり、調味料や肉製品の自家製もちらほら…。1人でもバルのように使える店が出てくるなど、ひと昔前には見かけなかった中華が続々登場。これなら中華を知らなくても、中華好きでなくても来たくなる!」

そう確信した林さんは、その強さの秘密を「中華のニュースタンダード」と題した特集に結集。初の試みということで13ページ、同誌らしい切り口で中華を紹介しています。

見どころは対談ページとレシピページ。「80C編集部に登場していただいた対談では、中国料理界の“今”行くべき店が、一通り把握できると思います。また、レシピはご登場いただいた各店のシェフに2品ずつ教えて頂きました。特別な調味料や調理道具は使っていません。今、旬の“素材派中華”が、プロでなくともでも失敗なく再現できるよう、工夫されたものになっています」。

ちなみに企画の裏テーマは「中華好きビギナーに行ってもらいたい店」&「素材派」。「中華の素材の生かし方は、和、仏、伊といった異ジャンルの料理人さんにとってもヒントが数多く見つかるかと思いますよ」と林さんも手ごたえを感じてくださったよう。

今回、読者からもいい反響があれば、きっと次の特集にもつながるはず。できれば次の中華特集も実現したいという思いもあるとか…。中華のことをもっとみなさんに知っていただけるよう、我々も応援します!

『料理通信』『料理通信』2015年5月号
全国書店にて4月6日(月)発売
発行:料理通信社、発売:角川春樹事務所
1008円(税込)
http://r-tsushin.com/

 

●プロに役立つインタビューが満載!『Food Life』

そして最後にご紹介するのはプロ御用達の業界紙。食品産業、食品流通業、フードサービス産業に携わる方が愛読する月刊誌『Food Life』も、第二特集が中華です。

『Food Life』『Food Life』2015年4月号
4月1日(水)発売
発売:総合食品研究所
1620円(税込)
http://www.fujisan.co.jp/product/1281681715/b/1215911/

表紙のデザインは業界紙らしくあっさりしていますが、中身は読みごたのあるインタビュー記事が充実。「今回は、繁盛店にして今、最も注目されている中国料理のシェフに、最新料理を披露していただきました」と話してくれたのは編集部の原由美子さんです。

誌面に登場しているのは「旬の野菜で季節感を表現し、ソース使いで中華らしさを出した2品」を披露する『胡桃茶家』(東京・中目黒)の 河野利之オーナーシェフ。同店は、絵画か宝石かというくらい美しい前菜が印象的。その前菜を味の面から支えるソースの話が期待大です。

また、「中国の伝統料理をベースに、センスが光るオリジナリティを加えた料理」を披露しているのが『中華香彩ジャスミン』(東京・広尾)の山口祐介シェフ。山口シェフが江南料理を得意としているのは業界では知られるところ。地域に伝わる伝統的な調理法や、中国の家庭で味わう料理を踏まえ、どのように自身の料理に昇華しているのかは気になるところ。

そして、昨年オープンの人気店、『の弥七』(東京・荒木町)の店主山本眞也オーナーシェフは、同店の真骨頂「和の食材を使い、中華の手法で独創性溢れる料理」を披露。赤こんにゃくを使った麻婆やゴマ豆腐など、日本人にしか作れない“新しい中華”がここにあるのは間違いないこと。唯一無二のスタイルで食通を魅了する山本さんのインタビューは必見ですね。

最後に新店は、東京・神楽坂に満を持して独立を果たした、松下和昌シェフ『ENGINE』。こちらは80Cの新店情報でもご紹介していますが、同誌はどんな切り口でご紹介しているのでしょうか。業界紙ですので書店売りはしていませんが、ウェブサイトから注文できます。ぜひ併せてご覧ください。


Text 佐藤貴子