酸っぱくて辛く、食べると身体が温まって、汗がにじんでくるような感覚がたまらない酸辣湯(サンラータン/スーラータン)。
通常は「酸」は酢、「辣」はラー油で表現するのが王道ですが、今回ご紹介するのは、別の素材で酸っぱ辛さを表現した、ちょっと変わった酸辣湯です。
それは何かというと、泡辣椒(パオラージャオ)。これは赤唐辛子を塩、花椒、高粱酒(こうりゃんちゅう)などの香りのよい白酒、香味野菜などといっしょに漬け込んだ漬物で、特に四川料理においてはよく使う食材です。 漬物の中の唐辛子がクタッとして、酸味が出てきたら「使いごろ」になったサイン。刻んで料理に加えると、コクと旨みが加わります。 |
乳酸菌によって作られる独特の酸味が持ち味の泡辣椒。今までとはひと味違った「酸辣」を表現したいときにぜひ試してみたい、プロ向けの調理法です。
料理:菰田欣也(スーツァンレストラン陳)
撮影:2012年9月 古樹軒の料理教室にて
中国語料理名:酸辣魚翅湯(suān là yú chì tāng / スゥァン ラー ユィ チー タン)
text 遠藤亜紀
photo 西田伸夫