【新連載】中国留学経験&中国料理好きを活かし、中華食材に関わる仕事に就いた元・古樹軒スタッフがめでたく妊娠・出産・そして現在育児まっただ中! 中国料理の知識を活かし「本格中華でも簡単にできる」をモットーに、ママと赤ちゃんの健康に役立つ中華的すこやかレシピをご紹介します。

 

ほうれん草といえば緑黄色野菜の代表格。その栄養価が特に高まり、おいしさが増すのは、霜が降りて寒くなるこれからの季節です。ほうれん草に含まれる主な栄養素は、カロチン、ビタミンC、鉄分など。そして、妊婦さんにとっては葉酸(ようさん)の補給源として注目したい食材として知られています。

妊婦と葉酸の関係性については、あちこちに情報が出ていますので簡単に触れますが、

①細胞分裂に必要(胎児の成長に関係)
②赤血球の生産を助ける(母乳のもとになる血液づくりに関係)

ということで、胎児の発育、そして産後の母乳に欠かせない成分。私も、産院での妊婦向け栄養指導でその大切さを聞いた時は、一日一食以上は鉄分・葉酸の多い食材を使おうと、ほうれん草をずいぶんと買ったものです。

そこで今回は、寒くなるにつれますますおいしくなる、ほうれん草がたっぷり食べられる中華レシピをご紹介しましょう。

魩仔鱼拌菠菜(しらすとほうれん草の炒め和え)

(魩仔鱼=シラス 拌=和える 菠菜=ほうれん草 )

調理時間はたったの5分!こちらは中国では家庭料理として位置づけられており、汁気を残してうまみたっぷりに仕上げることが多い料理です。

ほうれん草のメニューというと、おひたしや味噌汁の具など副菜が多いですが、こちらはメインにもできて手早く簡単に作れるのが魅力。炒めたにんにくと、ほのかな塩味を帯びたしらすが香ばしく、たっぷりとスープを含んだほうれん草ととてもよく合います。

栄養価としては、ほうれん草の葉酸や鉄分に加えて、妊婦さんの骨や歯を守るために必要なカルシウムも摂取できるのがうれしいところ。おいしく家事をかたづけて、妊娠生活を楽しんでくださいね。

【時 期】妊娠前~初期(~3ヶ月)、授乳期
【季 節】秋冬がおすすめ
【注目栄養素】葉酸、鉄分、カルシウム

 

レシピ(2名分)

ほうれん草 150g にんにく 2片
しらす 30g 鷹の爪(糸切りまたは輪切り) 少々
中華スープ 120cc 塩、胡椒 各少々
水溶き片栗粉 大さじ1 サラダ油またはオリーブオイル 大さじ1

 

■作り方

(1)ほうれん草を洗い、食べやすい大きさにカットし、にんにくを薄くスライスします。

(2)鍋に油を熱し、にんにくを炒めます。

(3)軽く火が通ったら、しらすとスープを加え、ひと煮立ちさせます。

(4)(3)にほうれん草を加えます。

(5)ほうれん草がしんなりとしてきたら…

(6)塩、胡椒で味を調え、水溶き片栗粉を加えてとろみをつけます。

(7)皿に盛り、鷹の爪を添えて完成です。

※野菜を小松菜に置き換えてもおいしく作ることができます。
※ほうれん草の根元の赤い部分には、骨を丈夫にするマンガンが豊富に含まれています。捨てずに食べましょう!

 


参考資料
大埤郷農會(台湾の農業に関してさまざまな情報を発信している企業のサイトです)
博才网(中国の就職サイトです)

おすすめリンク
葉酸と母子の健康を考える会
大塚製薬「ママの健康」

参考文献
『懷孕養身特効食譜』林禹宏・康鑑文化編輯部 著 人類智庫數位科技股份有限公司

Text / Recipe / Photo 山田早苗