ママベビ中華レシピでは「どうしても食欲が旺盛になってしまう妊婦さんが、旬の食材を食べて栄養をとりつつ、どうやってラクに体重コントロールするか?」ということをポイントのひとつとしてご紹介してきました。そう、妊婦は体重管理との戦い。今回ご紹介するのは、夏から冬にかけての最強のダイエット食材・冬瓜です。

冬瓜
冬瓜(とうがん)

 

冬瓜は、可食部分100gに対し、16kcalという低カロリー食材で、カリウムを多く含む食材です。カリウムはナトリウムのバランスをとりながら、体内の水分量をコントロールする働きがあり、高血圧の予防や、体内の余分な水分を排出するはたらきがある成分。また、冬瓜を中医学をベースにした食養生の観点で見ると「解暑(げしょ)」、すなわち身体の熱を冷ましてくれる効果もあるとされます。

そんな冬瓜と相性がいいのが、中国料理でよく使われる干し貝柱。干し貝柱はたんぱく質が豊富なうえに、うまみ成分であるアミノ酸が豊富。冬瓜が貝柱から出たうまみを吸い上げておいしくなるのはもちろん、調味料を多用しなくても料理にうまみを与えることができます。それでいて糖質は干し貝柱25gあたり1.9g程度と、それほど高くないのもうれしいところ。

干し貝柱
干し貝柱

 

食事で満腹感が得られないと、次の食事までの間についついアイスやジュースなど、体を冷やすようなお菓子にも頼りたくなってしまいますが、冬瓜を使ったこの料理なら少々食べ過ぎても大丈夫。じめじめし始めたころから残暑まで、湿気の多い季節は出番ですよ!

水遊び

 

红烧干贝冬瓜(冬瓜と干し貝柱の紅焼ソース煮)

(红烧 [hóng shāo] =醤油煮込み 干贝 [gān bèi] =干し貝柱 冬瓜 [dōng guā] =冬瓜)

冬瓜は、そのあっさりとした持ち味を活かし、日本では塩味に仕上げることが多いですが、今回は上海の家庭料理風に紅焼(ホンシャオ)で仕上げてみました。
紅焼(ホンシャオ)とは、簡単にいうと醤油煮込みのこと。肉にも魚にもよく合う調理法で、ふかひれの煮込みのようなご馳走から、野菜類まで幅広く使われる、親しみやすい味わいです。

【時期】妊娠中期~妊娠後期(太りやすい時期)
【季節】夏
【栄養的メリット】カリウム、たんぱく質

 

レシピ(2名分)

冬瓜  450g(小さめの冬瓜1/6カットくらい)
干し貝柱  15g分
生姜  薄切り2枚
[調味料]
醤油  大さじ1
香菇醤油  大さじ1
(しいたけ醤油。なければオイスターソースまたはエキスでも代用できます)
オイスターソース  小さじ1(オイスターエキスでも代用できます)
砂糖  小さじ1
貝柱の戻し汁  150cc

■作り方

(1)干し貝柱を150ccの水に浸して戻しておきます。干し貝柱は指の腹で押してみて、中まで軟らかくなったら完全に戻っています。戻し汁も料理に使うので、必ずとっておいてください。

(2)冬瓜を洗い、皮をむき、種を取り除いて食べやすい大きさにカットします。今回は厚さを8mmくらいにカットしました。

(3)調味料を合わせます。

(4)ライパンを熱し、サラダ油小さじ2(分量外)を入れて、弱~中火で生姜スライスを炒めます。

(5)生姜から香りが立ってきたら、戻した貝柱を加えて炒めます。

貝柱に色がついてきたら…

合わせ調味料を加えます。

(6)さらに冬瓜を加えて炒めた後、中火で7分間煮た後、さらに弱火で3分煮ます。

少し冬瓜が色づいてきたら…

貝柱の戻し汁を冬瓜にかけながら入れて…

全体が茶色くなったら中火で7分間煮ます。

(7)弱火にして、冬瓜の色が茶色い透明になったら鍋から取り出し、皿に盛り付けます。

(完成)

 

干し貝柱の戻し方

▼丁寧にやるなら

一昼夜ほどかかります。ボウルなどの器に、貝柱が完全に浸る量の水を入れて、ラップをして冷蔵庫に安置します。この方法は、干し貝柱の形を崩さず、ふっくらと自然に戻せます。

▼お急ぎなら

貝柱ほぐし、完全に浸る量のぬるま湯に約10分浸した後、ラップをかけて電子レンジで2〜3分加熱します。
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調理ワンポイント

鍋の大きさや、食材の状態、火力によって、必要となる煮汁の量が変わってきます。冬瓜が柔らかくなる前に煮汁がなくなってしまいそうな場合は水を足してください。

香菇醤油とは?

椎茸パウダーを使って作られる醤油で、一般的な醤油よりも塩気が少なく、素食とよばれるベジタリアン料理でよく用いられる調味料です。とろみがあり、旨みが強いという点で、オイスターソースによく似ています。

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参考文献
『からだにやさしい旬の食材 野菜の本』講談社編 / 2013年 / 講談社
『安胎键儿怀孕食谱』林秋香 著 / 2010年 / 南海出版公司
『五訂 カラーチャート 食品成分表』山田雅俊 監修 / 2001年 / 教育図書

Text / Recipe / Photo 山田早苗