野菜が生んだ“酸”がうまい。泡菜(パオツァイ)でつくる発酵野菜と豚肉の炒めもの(泡菜炒肉)

調味料としての“酸”に対し、食材そのもので“酸”を楽しむなら、発酵野菜がおすすめだ。作り方はシンプルで、野菜を4~5%の塩水に漬けて発酵させるだけ。1週間から10日もすれば、酸味とうまみを備えた漬物ができる。

こうした発酵野菜は、中国で泡菜(パオツァイ)と呼ばれる。

80C(ハオチー)では、井桁シェフの泡菜レシピを紹介した「家で中華|泡菜(パオツァイ)」、泡菜に関する食文化は「四川食旅④泡菜(パオツァイ)|塩水にどぼん!乳酸発酵で育む漬けもの」、唐辛子の泡菜=泡辣椒(パオラージャオ)のレシピと極意は「畑から始まるガチ四川[後編]発酵唐辛子「泡辣椒(パオラージャオ)」の作り方と使い方」で紹介するなど、これまでたびたび泡菜を紹介してきた。

ちなみに、毎年夏に流行っている(と思ってます)酸豆角(スァンドウジャオ)も泡菜の一種だ。要は、ササゲだけでなく、にんじんやカブも漬けて発酵させたらおいしいのだ。

仕込みたての泡菜。1週間から10日ほどでぶくぶくと発酵し、漬け汁が白濁してくる。酸味が出たら食べ頃だ。

おすすめかつ手軽な食べ方は、発酵野菜と豚肉の炒めもの(泡菜炒肉)。泡菜酸味が肉の脂っぽさを切り、たちまちごはんに合うおかずができあがる。

[材料:発酵野菜と豚肉の炒めもの(泡菜炒肉)]※2人前
泡菜(かぶ・にんじん・パプリカ・新生姜など取り合わせる) 70g
豚肉(薄切り:肩ロースまたはバラ肉) 140g
にんにく(潰して粗みじん切り) 1かけ
油 大さじ1
酒 小さじ1
醤油 小さじ1~2

泡菜(左)と豚肉(右)。豚肉は泡菜の重量の2倍が目安。

[泡菜と豚肉の炒めもの(泡菜炒肉)の作り方]

1:泡菜を薄切り、にんにくを潰して粗みじん切りにする。泡菜と肉の厚さを揃えると、食べたときに心地よい。

泡菜の材料に新生姜(写真左上)は相性がいい。鮨のガリに似た風味だが、甘酢漬けではないのでさっぱりと爽やか。

2:フライパンに油を入れて熱し、にんにくを香りが出るまで炒める。

3:泡菜を加え、香りが立つまで炒める。

4:肉を加えて炒め、火を通す。

5:酒(日本酒または紹興酒)、醤油を加え、軽く炒め合わせたらできあがり。

発酵野菜と豚肉の炒めもの(泡菜炒肉)は、発酵した野菜の酸味とまろやかなうまみ、豚肉のうまみとコクとを取り合わせた一皿だ。これがごはんのおかずにもよし、酒の友にもよし。さっぱりとしてうまみがあって、実にいい。

基本的に泡菜の塩味と酸味で味が決まるので、調味料で味付けするのが苦手な方に心からおすすめしたい。このレシピでは、肉に下味をつけないため、醤油で味を調整している。

アレンジとして、泡菜を1cm程度の角切りにして挽肉と炒め合わせると、ごはんにのせたり、麺のトッピングになる。納豆と混ぜてもよく合う。今の季節なら、とうもろこしを加えてもいい。

発酵の酸が肉と脂を軽やかに食べさせてくれるし、冷たいものを取りすぎた夏にもちょうどいい。ぜひお試しを!


RECIPE&TEXT&PHOTO サトタカ(佐藤貴子)