一日三度の食事の中でも、圧倒的に外食率が高まるランチ。その一食に中華料理への愛を託し、お昼に食べた中華を語るという、80C(ハオチー)のFacebookランチレポートが「ひる中華」です。
そこで頂戴した「いいね!」とコメント、シェア、リーチ数をポイントに換算にして、1月16日~2月15日に掲載したひる中華ベスト8を算出したのが当コーナー。さて、いつも応援してくださっている中華のプロや食いしん坊の皆様が「いいね!」と思ったランチとは…?

 

8位

上野池之端「会席中国料理 古月」のティータイムコース4,900円  223ポイント

まず、8位にランクインしたのは情緒溢れる谷根千エリア、「山中旅館」の中の個室でいただくコース料理です!

古月

総料理長の山中一男氏は、日本中国料理調理士会の第一回中国研修生として北京で研鑽を積み、広州で点心を学ばれた方。食養生をコンセプトにしたコース料理や、日本では珍しい中華のすっぽん料理が食べられる店としてもその筋(どの筋?w)では有名ですね。

新竹の子と牛肉の紹興酒煮込み

ランチは1500円からありますが、やはりこのお店なら個室が使えるコース料理が断然おすすめ! ということでオーダーしたティータイムメニューは冬の養生茶、海鮮と根菜の中華風サラダ、前菜盛合せ、フカヒレスープ、ホワイトアスパラガスと平貝の強火炒め、新竹の子と牛肉の紹興酒煮込み、特製担々麺、マンゴープリン、コーヒーまたは中国茶と充実の内容。何より歴史の刻まれた個室から醸し出される雰囲気もまた、食事のひと時を豊かに演出してくれます。

が、大変残念なことに、同店は今年3月より耐震改装工事のため、2~3年の休業に入ります。今後、風情ある和風旅館で本格中華を味わうという唯一無二の取り合わせは、改装後も継承されるのか―――? リニューアルオープンを心待ちにしつつ、どうかしばらくは新宿店、そして3月1日にオープンする浦和店をご利用ください。 (2013年1月17日掲載)


 

7位

日本橋堀留町「中華料理 大衆」の鶏カシューナッツ炒め定食800円  232ポイント

7位には昨年のひる中華10~11月のランキングで、若干B級テイストを感じるビジュアルの「福州大衆焼きそば」で見事1位を飾った「大衆」が再登場!今回は永遠の定番、鶏カシューでのランクインです。

大衆

 

同店は店名の「大衆」の名を体現するかのように、小山のようになった盛りのよさが魅力。半分食べ終わったところで丼メシがなくなり、お腹一杯にも関わらず、残りを食べ切るためにごはんをお替りしてしまったほどです。

この料理の魅力を「肉と野菜だけでなく、カシューナッツを加えることで、食感に変化が出て食べ飽きないと満腹になって改めて感じた」と言うのはコスギ特派員。実は「中華メニューの解読法」で、同じ「鶏とカシューナッツ炒め」でも、中国語料理名で「宮保鶏丁」は辛い、「腰果鶏丁」は辛くない料理と知って以来、鶏カシューにはまってしまったそうです。
「大衆」では厨房にオーダーを通す時に「腰果鶏丁(イャォグゥォ ジーディン)」と言っていたため、やはり辛くない味付けが出てきて納得したとのこと。みなさんは、どちらの鶏カシューがお好みですか?

(2013年2月2日掲載)


 

6位

千代田区霞ヶ関「鳳鳴春 霞が関店」のニラ坦々麺1,120円
234ポイント

6位には、官庁街にある老舗中国料理店の変わり坦々麺がランクイン!

鳳鳴春

 

実はこの日、某庁舎内にある中華料理店に行こうと思ったら門前払いされ、ビル風吹き荒む霞が関砂漠をさまよった末、たどり着いたオアシスがここでした。

こちらはすりゴマとニンニクが効いたスープ麺に、軽~い甘酢餡仕立てにしたニラと挽き肉の炒めが乗った変わり種。パンチのある坦々スープと、香りの強いニラは言うまでもなく相性抜群。通常の坦々麺にプラス100円で、不足しがちな緑の野菜が補えるのはうれしいですね。

さるかに合戦

また、麺を食べ終わった後は、ランチサービスのみ提供されるごはんに「さるかに合戦」という海苔ゴマふりかけをかけ、残ったスープに投入して雑炊風に食べるという第二ラウンドもあり。中華料理店で「ふりかけ」という意外な小道具が冴えました。

場所は弁護士会館地下1F。霞が駅直結で、雨の日も風の日も楽々入れるこのお店。昭和的なBGMも和みムードたっぷりで、いろんな意味で救われたひる中華でした。

(2013年1月30日掲載)


 

5位

横浜中華街「山東」の焼餃子(8個)840円
235ポイント

5位は横浜中華街で餃子といえば、いの一番に名前が挙がる超有名店「山東(さんとん)」の焼き餃子がランクイン!

山東"

同店の焼き餃子は、油っぽさが残らない、サクッとかための焼き上がりが気持ちいい一品。水餃子同様に皮は肉厚ですが、私はこちらの方が好みですね。
また、この店を一躍有名にしたのが、特製のココナッツミルクを使った甘辛たれ(写真左上)。ちょっと口にしただけでは何が入っているのか判断できない、なんとも複雑な甘旨テイストがくせになります。

水餃子

休日に行くといつも行列ができている有名店ですが、実は冷凍でお持ち帰りもできます。食べて気にいった方は、ぜひご自宅でも山東の味をお楽しみください。 (2013年2月13日掲載)

 

 

 


 

4位

大阪市福島「中国菜OIL」の四川麻婆豆腐ランチ850円
249ポイント

4位は大阪の大注目株がランクイン!中華鍋の鍋肌についた黒い焦げこと“悪魔の和”で背徳のコクと旨みを醸し出すというOIL(オイル)!

OIL

 

こちらは大阪出張の際、関西の老舗グルメ雑誌『あまから手帖』の編集部さんと一緒に訪れた店。同誌に掲載されていた店の中でも「店名が中華の真髄を突いているなあ…」と感じるところあり、ひる中華にお付き合いいただきました。

昼過ぎに訪れてみると、店は福島駅徒歩10分という立地ながら大行列!人気の麻婆豆腐は、旨みと甘みのはっきりとした味付けで、鮮烈な辛さというよりは、トウチのコクが効いています。
『あまから手帖』の記事によると、「鍋肌の焦げ “悪魔の和” で背徳のコクと旨みを生み出す」んだとか。また、店名にOILとあるように、ラー油がしっかりおいしいのも特徴。サラスパのマヨネーズサラダ、ほろほろに煮込まれた牛肉と卵のスープが、辛くコクのある麻婆豆腐の箸休めにベストマッチでした。

なお、帰京してしばらくしてから「麻婆豆腐を年間100食以上食べることを目標にしている」というfacebookコミュニティ『麻婆維新の会』の第3回会場として、この店が選定されているのを発見。ここまで人を集わせてしまう麻婆豆腐人気、恐るべし!

(2013年1月21日掲載)


 

3位

呉「珍来軒」の冷麺(小)600円
254ポイント

そして3位は、海軍の街で生まれた、冬でもおいしいご当地冷やし麺がランクイン!

珍来軒

 

こちらは一見冷やし中華に見えますが、食べてびっくり、スープが甘い!
そんな冷やし中華とは似て非なる「呉冷麺」が誕生したのは昭和30年頃。「冬でも冷麺を食べたい」という声に応えて生まれた、呉のご当地中華です。

中でも「珍来軒」はその元祖。食べ方が独特で、最初は甘くてピリ辛な鶏ガラベースのスープですすり、次に「酢からし」を入れてスッキリと甘さを中和してすすり、最後に「黒酢」を入れて風味とコクを足してすするという、3つの味が楽しめます。しかし、実は私は酢が苦手。それなにの、この「酢からし」がスープの味を劇的に変えるので、妙に中毒性があり、どんどん回し入れてしまうという…。
ちなみに冷麺といっても韓国風ではなく、平打ちの中華麺を使います。そして冷やし中華でもありません。なにせ、冷えてないんです。常温です。でも食べられちゃうという…。

なお、冷麺に広島のご当地練り物「がんす」をトッピングしたものも。1皿で2度広島名物が楽しめるこちらもおすすめです。

(2013年2月8日掲載)


 

2位

横浜中華街「獅門酒楼」の酥炸蝦芒(海老とマンゴーのサクサク変わり揚げ)2本 980円 341ポイント

第2位は、横浜中華街の関帝廟にほど近い、獅門酒楼(しもんしゅろう)のオリジナル点心がランクイン!

獅門酒楼

 

獅門酒楼は中華街ブロガーさんの日記の中でもちょくちょくお見かけする広東料理店。それだけ地元のお客様に愛されているんだと思い、ずっと気になっていた店で、休日にアラカルトでひる中華してきました。

オーダーしたのは同店オリジナルの点心「酥炸蝦芒(海老とマンゴーのサクサク変わり揚げ)」と、広東料理店でメニューにあるとつい頼んでしまう「焼肉(皮付き豚ばら肉の焼きもの」、そして冬の味覚「豆豉鮮牡蠣(牡蠣のトウチ炒め)」の3品と炒飯。

牡蠣の料理
牡蠣のトウチ炒めレシピはコチラ!

中でもよかったのが写真の点心ですね。海老・マンゴー・シソの葉を極細面で巻いて揚げ、マンゴーソースをかけていただくのですが、揚げたてのシャワシャワを口一杯頬張りながら、ハッとするようなおいしさに全身の味覚細胞が震えました。

(2013年1月28日掲載)


 

1位

港区赤坂「たけくま」の担々麺ランチ1,000円
403ポイント

そして圧勝の1位は、どんぶりの上に広がる担々五大陸を大胆に征服!赤坂たけくまの担々麺です!

たけくま

 

テーブルに運ばれてきた担々麺を見て、思わず見入ってしまいました。唐辛子の混じり合う深紅のラー油、ベージュの芝麻醤、茶の豚挽き肉、緑のター菜、そして澄んだ橙色のラー油。 これ、見事に5つの色と味がゾーン分けされている担々麺なんです。丼の上に広がる担々五大陸…。担々麺に世界を感じたのは生まれて初めてです(笑)。

そして、味のポイントになっているのが「噛んで食べる」要素でした。上からは見えませんが、実はこの中に、挽き肉と炒めたター菜が小椀一杯くらいたっぷり入っているんです。それで気付くと最後まで麺もスープも残すことなく完食…!

(2013年1月16日掲載)


 

さて、今回のひる中華ランキングはいかがでしたでしょうか? 店の雰囲気も味の系統も、バラエティに富んだランキングとなりましたね。ちなみに現在まで1食あたりの平均単価は972円。来月もどうかご愛読を!

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「ひる中華」は、80Cスタッフがランチに食べた中華料理を、Facebookで連日レポートしています。おひる前のお腹が空きそうな時間に更新していますので、中華画像を見ながら、食べたい中華・好みの中華を見つけていただけたら幸いです。みなさまも、どうかお近くにある気になる中華料理店のランチがあったら、ぜひ編集部までお寄せくださいね。


ポイントの算出方法
Facebookの「いいね!」「コメント」1件につき3ポイント、「シェア」等その他アクション1件につき3ポイント、リーチ(タイムラインに流れた数)を1ポイントとして換算し、その合計点で算出しています。みなさんの「いいね!」やコメントがポイント増に繋がります。


Text 佐藤貴子(ことばデザイン)
Photo 佐藤貴子(ことばデザイン)、小杉勉

 


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