80C(ハオチー)スタッフが中国大陸、香港、台湾などで食べてきた料理をご紹介するfacebookページ企画「旅中華」。ご好評を受け、こちらにもエリア別にまとめてみました。今回は2014年秋の香港&深圳編。10名の大ツアーです。
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※地図上の位置は、おおよその位置表示であるものもあります。
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九龍半島
【A】明苑粥麺小廚茶餐廳 | 【B】Kowloon Tang | 【C】彩龍皇宮粤菜 國金皇讌
【A】明苑粥麺小廚茶餐廳 地址:尖沙咀厚福街11A號
弾牙墨鱼丸麺(イカ団子入り香港麺) HK$30
●なにはなくとも香港麺! 香港に来たら、一度は香港麺や魚団子やワンタンを食べたい。そして麺はスープがおいしくなくちゃ楽しくない! ということで、狙いを定めてやって来たのは、麺や粥が気軽に楽しめる店が立ち並ぶ尖沙咀(チムサーチョイ)エリアの厚福街。中でもこちらは「毎日5時間ほど煮込んで作る豚骨スープ」と「その日に使い切る分だけを丁寧にミンチに」しているお団子があると9月11日号『Hanako』香港特集でも紹介されたお店です。 オーダーした「弾牙墨鱼丸麺(イカ団子入り香港麺)」は、透き通ってさっぱりとしながらもコクのあるスープ、伸びずにコシを保つ香港麺、硬すぎないお団子、生菜(レタス)という組み合わせで、妙なクドさや甘さがないのが素敵。潮州麺食部門には手打ちの魚蛋麺、魚皮餃麺など、魅力的なメニューがずらりと並んでおり、上から順に制覇したくなりました。 |
【B】Kowloon Tang 地址:尖沙咀柯士甸道西1號 圓方(Elements)上層平台三樓
商務午餐(ビジネスランチ)HK$238+サービス料10%
●九龍のオフィス街でビジネスランチ 世界中からお金が集まってきそうな九龍駅エリア。その都会化っぷりにクラクラしつつ偶然訪れたのは、香港ブランド「上海灘(シャンハイタン)」のオーナーがプロデュースした広東料理店「Kowloon Tang(カオルーン・タン)」。姉妹店の「China Tang」も洗練されたセンスで評判ですが、こちらはもっとカジュアルな雰囲気。 オーダーした「商務午餐」はいわゆるビジネスランチセット。内容は点心盛り合わせ(蝦餃、春巻、海老と青菜と蟹卵焼売)、足料老火湯(本日のスープ:魚の白湯)、蜜汁叉焼orきのこの湯葉巻き、飯or麺、8種類の料理から好みの2品を選び、是日甜品(本日のスイーツ:杏仁スープ)、お茶がついてこの価格ですから、意外と良心的かもしれません。 ここで印象に残ったのは、湯、蔬菜、飯。湯は魚の骨からとったという濃いのにさっぱりとしたスープで、こういう一椀を日替わりスープとして出してもらえるのは香港ならでは。飽きのこないシンプルな味付けで、山盛りが嬉しい広東白菜の上湯煮込みはいくらでも食べられる味。〆の黒末野菌雞粒燴飯(天然トリュフと鶏肉の煮込み飯)は、素材といい調理法といい、いかにも広東的! |
【C】彩龍皇宮粤菜 國金皇讌 地址:新界荃灣德士古道36-60號 創意無限商場二樓
朝飲茶 HK$53
●香港郊外の荃灣で飲茶パラダイス! 今回の旅はリーズナブルなツアーを利用したため、宿泊は地下鉄荃灣線の終着駅、荃灣(ツェンワン)のパンダホテル。遠い…。周りに何もなさそう…と思いきや、ホテルの向かい、古いビルの中にこんなパラダイスが! そこはキャバレーかダンスホールか、シャンデリアの煌びやかな店内には、片手に新聞、テーブルに蒸篭を3つほど並べたおじいちゃんおばあちゃんがまったり。常連さんが談笑・会話する姿もあちこちで見られ、まるで街の社交場のようでした。 料理は時間帯別に提供メニューが決まっており、朝は粥や定番点心が充実。おいしかったのは定番中の定番「潮州粉果(潮州風の蒸し餃子)」。大福のような大振りサイズで、澄麺皮の中には豚肉、しいたけ、ニラ、エビ、落花生などをほんのりピリ辛に調味した餡がたっぷり。どの料理も気取りのない大らかな味わいで、それがお店の雰囲気ともぴったり。しかもお茶を飲み飲み、気のすむまで頼んで1人53ドル(731円)とは…。穴場すぎる! |
香港島
【A】鏞記酒家 | 【B】家全七福 SEVENTH SON | 【C】蓮香樓
【A】鏞記酒家(Yung Kee Restaurant) 地址:中環威靈頓街32號
●なにはなくともガチョウとピータン 香港を代表する店といっても過言ではない「鏞記(ヨンキー)酒家」。皮蛋とガチョウであまりにも有名な店ですね。「金牌焼鵝(特製ガチョウのロースト)」は噛むたびに肉汁と脂が溢れ、「皮蛋酸薑(ピータンと甘酢生姜)」はグデンとして濃密な軟芯っぷり。これに思わず目を細めてしまうのは私だけではないはず。この店に来たら外せない、永遠のゴールデンコンビです。 |
●香港的贅沢・焼きもの三昧 雙拼とは相い盛りのこと。「鏞記酒家」の焼き物(肉のロースト)の中から好きな料理2品を選べるメニューです。我々が選んだのは、化皮乳猪(仔豚の丸焼きの皮)と炭焼蜜汁叉焼を相い盛り)、そして写真右は金牌焼鵝(ガチョウ)、叉焼、切鶏(蒸し鶏)、桶子油鶏(醤油で下味をつけた鶏)の中から2品を相い盛りに(写真は鶏2種類)。 バリッと歯ごたえのあるクリスピーな仔豚の皮は、日本では特注で仔豚1匹を予約する料理になりますが、常時グランドメニューに載せているのは香港ならでは。叉焼の上にどかんと被せてくる盛り付けが豪快! |
●クラシックな広東系宴会料理 写真左は、冬瓜を器にして、まるごと蒸した宴席定番のスープ。冬瓜の縁に載せてある具を冬瓜の中に落とし入れ、混ぜてから取り分けます。味は至極あっさりさっぱり。具にローストダックが入っているのは「鏞記酒家」スタイルですね。緑色の小花は夜香花といいますが、夜の香りはしません。 写真右は牛乳と卵の白身をかき混ぜながらとぅるとぅるに炒めた料理。料理名にもついている「順徳大良」とは広東省順徳市の大良という鎮(町/集落)のこと。この地域は昔から水牛乳や牛乳の産地として有名で、このミルク炒めは順徳を代表する伝統的な料理です。口に含むと舌を滑るように滑らかなのは、低温でたっぷりの油を使って炒めているため。蟹も入っており、まさにお子様からお年寄りまで誰にでも愛される優しさと旨みに満ちています。 |
【B】家全七福 SEVENTH SON 地址:灣仔杜老誌道6號 群策大廈5-6樓
●銀座の福臨門と食べくらべ 日本の「福臨門 銀座店」改め「福臨門 家全七福 by SEVENTH SON 銀座店」が昼も夜もよかったので、香港にも出店したという「家全七福」に俄然興味が…! というわけで行ってきました注目店。さすがは鳩や蛙、焼き物が常に食べられている香港だけあって、こっちの方がぐんとリーズナブルに楽しめますね。特に「妙齢乳鸽/脆皮燒(鳩の姿焼き)」1隻80ドル(1,104円)は漬け込みがよくて香りが最高。グランドメニューに5品も並ぶ蛙は「油泡田雞腿(蛙の炒め)」260ドル(3,588円)にしたところ、たっぷり盛られているだけでなく、身離れがよくプリプリ。名物の「當紅炸子雞(金鶏の姿揚げ)」半隻210ドル(2,898円)は頭に詰まった脳味噌まで余すことなく、お誕生日の方へプレゼント…! ご馳走の乗った円卓は実に回し甲斐があります。 |
●定番のごはんもの対決! 写真左は本家本元「福臨門」名物・「鮑汁鱆魚雞粒炒飯」180ドル(2,484円)。これは干し鮑の戻し汁で煮込んだ干しダコと鶏肉のリゾット風炒飯で、香港の「家全七福」でもしっかり提供していました。銀座店でも味わえますが、どっちがおいしいなんて野暮なことは言いません。 一方見た目が華やかなのは写真右の「瑤柱荷葉飯(蓮の葉包みごはん)半包180ドル(2,484円)。いずれもしっかりとした味付けで、〆のごはんというより、おかずやつまみとしてもいただけるテイスト。冷めてもおいしいご馳走ごはんです。 |
●定番のあまいもの対決! まずは東京店で胡麻の力強い香ばしさと濃密さにノックアウトされ、これだけでも食べに行きたいと思わせてくれた「生磨合桃露(くるみのお汁粉)」50ドル(690円)は、意外なまでにあっさり。香港のお汁粉って比較的あっさりしていると思うので、これは現地味ということですかね。 一方、目の覚めるようなおいしさだったのは「鳳凰千層糕」40ドル(552円)。月餅などにも使うアヒルの卵の黄身の塩漬けと、カスタード餡、生地を重ねて蒸したもので、ふわふわと軽い生地、塩卵のコク、カスタードのまろやかさが風味絶佳な層に!こんなクラシックなメニューがしっかりおいしいっていいですねえ。最後に腹にたまるものを頼んでしまっても悔いなしです。 |
【C】蓮香樓 地址:中環威靈頓街160-164號
●飲茶の戦場、またの名を弱肉強食 広州で創業し、本店は100年以上の歴史がある「蓮香樓」。乾物問屋街などが近い、香港上環駅近くの店も80年以上の歴史があります。 写真は同店昼の名物「人だかり」。できたての飲茶を運ぶワゴンに客が殺到し「淮山!淮山!(ワイサン=山芋)」というように服務員に食べたいものを伝え、自ら蒸篭を獲得するのがこの店のスタイル。 しかし戦闘態勢ではあまりじっくり味わえないという方は、部長(ぼうちょん)と呼ばれる白いワイシャツの男性を呼んで、別途オーダー品を頼みましょう。写真はいかにも香港らしい「干燒伊麺」80ドル(1,088円)。幅広の卵麺にスープを吸わせながら甘じょっぱく調味したもので、同店ではしつこくなく食べやすい、飽きの来ない味付けでした。ついでに部長に他の点心も頼んでおけば、厨房から直接持ってきてもらえるのでおトクです。 |
南丫島
【A】威記海鮮酒家(Wai Kee Seafood restaurant) 地址:索罟灣第一街3-4號
●ラマ島名物・海鮮三昧 海風に吹かれながら、テラスで海鮮料理を食べる…そんな観光を楽しむならラマ島へ。中でも「威記」はリーズナブルな価格で香港人にも人気。現地生まれのお兄さんが切り盛りしており、英語予約不可のローカル店です。 ここは大人数向けのコースメニューがびっくりするほどお値打ちで、生け簀の大蝦蛄(大シャコ)を1人半尾ずつプラスしても1人当たり168ドル(2,301円)、ドリンク代を入れても211ドル(2,898円)!! なにせ鮮度がいいので、ゆで海老などはいくらでも食べられてしまいそう。 同じく鮮度が命なのが清蒸鮮魚(魚の蒸し物)ですが、これは恐らく子供の「尖吻鲈(バラマンディ)」ですかね。全長30cmほどで、海の魚にしては淡白、川魚にしては味が濃いのは、汽水域を行き来する魚だからでしょうか。全体的に料理は甘辛でしっかりとした味付けで、気兼ねなくわいわい飲んで楽しむのにうってつけ。ビールが「BLUE GIRL」というところも異国情緒たっぷりです。 |
<h2广东省深圳市< h2=””> 【A】兰州牛肉拉面 地址:广东省深圳市湖贝路2216-11
羊肉刀削麺(羊肉入り刀削麺) 13元
●深圳ですする大陸風味 パスポートを携えて広東省深圳市(シンセン)にやって来ると、そこは一気に大陸カラー。香港と比較すると深圳の乾物街はぐぐっと安く大陸価格。中でも湖貝地区は厨房用具専門デパートもある見ごたえたっぷりの場所です。 そんな買出しの途中に立ち寄ったのがこちらの店。「兰州」とは蘭州のことで、薄ーいスープに手延べ麺でおなじみの蘭州拉麺の店です。中国どこにでもあると言われるこの麺は、コクがあるんだかないんだか、微妙な味わいが持ち味。日本人でこの味を「懐かしい…」という方に出会うと「ああ…中国好きなんだ!」と思わずにはいられません。 本場甘粛省では辛く、それ以外の大陸では薄いのが主流。こちらは刀削麺タイプで、角切り羊肉が乗ったもの。清真料理(ムスリム料理)の店なので、アルコールはご法度です。 |