食べるとぷにゅっとした食感がたまらない肉圓(バーワン|bah-oân ※台湾語)。ジブリ映画の影響もあり、台湾料理のなかでは知名度抜群! 大人気の軽食ですね。
しかし、いったいどうやってこの独特な食感をつくっているのでしょうか。今回は肉圓(バーワン)を深掘りしつつ、都内でおすすめの肉圓が食べられる店、ぷにょぷにょの食感が自宅で再現できるレシピをご紹介します。
肉圓(バーワン)の歴史-福建省泉州から台湾彰化県へ
弾力のあるでんぷんの生地で、豚肉の餡を包んだ肉圓(バーワン)。そのルーツとなる料理は、福建省泉州市の小吃「粉丸(地瓜粉丸)」といわれています。料理が台湾に伝わったのは100年以上前のこと。それが彰化県を中心に独自に進化を遂げ、現在の形になったものと思われます。
「粉丸」は、さつまいもに粘米粉(うるち米の粉)、糯米粉などを加えて生地をつくり、中に肉餡を詰めて団子にし、スープ仕立てで食べる料理です。見た目は福建省福清市の蕃薯丸(さつまいも団子)にも似ていますね。
一方、台湾の肉圓は生地の弾力がかなり強いのが特徴です。餡は豚肉やたけのこ、店によっては椎茸やエビが入り、調理は蒸すことも揚げることも。食べる直前にタレをかけるのですが、これが赤や白などさまざま。ひと言で肉圓といっても、いろいろなタイプがあるのです。
肉圓(バーワン)は好みを語る要素の塊!ー調理法・具・たれ
そんな肉圓の調理方法は、
・蒸す(清蒸肉圓)
・蒸した後、低温のラードまたはラード入りの油で揚げる
・蒸した後、やや高温の油で、表面がカリッとするように揚げ焼きにする
とさまざまですが、どちらかというと油を通す方が一般的です。油を通すメリットは、生地の弾力が増して、ラードの良い香りを楽しめること。
「彰化の肉圓は、低温の油で揚げたものと、高温の油で揚げたものがあって、タレは赤(紅醬)と白(白醬)があったりするよ。南部は蒸した肉圓が多いかな。エビが入っているのもあるよ」
という台湾の方の話もあり、揚げるといっても火加減はさまざま。彰化県より北は揚げたもの、南は蒸したものが主流という説もありますね。
一方、蒸しただけで提供するタイプは、台湾のうるち米の粉「在来米粉」の割合が多いものが主流です。食感は揚げたタイプとは異なり、もちもち感が強くなります。
以前、台南の『福記肉圓』で蒸した肉圓を食べた際、生地がモチモチしていて、餅に近い食感だったことに驚きました。にんにくがしっかり効いたタレがかかっていたのも驚きで(苦手な場合、注文の際に入れない用にお願いできます)、別添のスープがとても美味しかった思い出があります。
「生地、餡、たれ、スープが大事で、食べたときに一体感があるのが最高!」
「生地と餡は別々に食べ、生地はスープに入れて食べるのもアリ」
「台中で肉圓を食べるなら『台中肉丸』一択!」※ミシュラン掲載店です。
このように、台湾人が好みを語る要素がたくさんある肉圓。東京で食べるなら、どこにいけばいいのでしょうか?おすすめの2店舗をご紹介します。