それを初めて目にしたのは、洛陽の夜市の屋台でした。
色々な味付けが書いてあり、大体分かる中に一つだけ、何と読むのかもわからない味付け奥尔良があるではありませんか。
調べてみるとオルレアンと読むことが分かりました。
しかし、フランスにある地名のオルレアンとの関係は?そして一体どんな味?と、謎は深まるばかり。

今回さらに調べてみると、中国のKFC(肯德基)が、ニューオリンズ名物のケイジャンチキンを新奥尔良烤翅と中国語でネーミングしたのが始まりのよう。
新奥尔良だと、ニューオリンズじゃなくて、ニューオルレアンじゃないのかと思いきや、ニューオリンズは英語で書くとNew Orleansとなり、元々はフランス領で、フランスのオルレアン(Orléans)と語源は同じでした。
そのニューオリンズ味のニューがいつのまにか省略されてしまって、オルレアン味となってしまったよう。
名前の由来はわかったものの、どんな味なのかはいまだ不明のままだったところ、池袋にオープンした串串香火鍋のお店「鮮入圍煮(センニュイシャ)」のランチメニューに奥尔良があることを知り、食べに行ってきました。


地下への階段を降りて店内に入ると、テーブルには火鍋用の鍋が埋め込まれていて、串刺しにした具材が冷蔵ショーケースにいろいろと並んでいます。

麻辣烫(マーラータン)のお店のように、お好みの具材を自分で選んで串の本数で会計するシステムなのでしょうか。
串のメニューもよく見てみると、奥尔良鸡腿肉(オルレアン風の鳥モモ)がありますね。

一串だけのために火鍋をいただくこともできないので、予定通りランチメニューのオルレアン風の鳥丼を注文。
写真は暗くて分かりづらいですが、火鍋をどかしたコンロ用の穴の上にランチセットを乗せたトレーがはみ出した状態です。

食べてみた感じは、カリッと焦げ目をつけた皮で、身はふっくらとした鶏肉を、ピリ辛チリ味にしたような印象でした。
詳しく調べると色々な調味料を配合しているようですが、自分の鈍感な舌ではそこまで判別できず。
基本的には「甜/辣/香」(甘くて、辛くて、香りよし)ってことのようなので、当たらずとも遠からずってとこでしょうか。
通販で売られている奥尔良調味料の原材料表示も、砂糖、食塩、辣椒粉…と言った感じでしたので、甘辛・ピリ辛味が、奥尔良味ってことなのでしょう。
気になってみると、奥尔良味を提供しているお店も、ちらほら目につくようになってきているようなので、もし見かけた時には、あなたの舌でもお確かめください。


鮮入圍煮 住所: 東京都豊島区池袋2-40-1 第2シャンボールビルB1 (地図) アクセス:副都心線 池袋駅 C6出口 徒歩2分 電話:03-6914-3218 営業時間:11:00~15:00(L.O.14:30)/17:00~翌2:00(L.O.1:30) |
【参照サイト】
『すまいる哥哥の中国語単語』奥尔良【ào ěr liáng】…中国で大人気となったフレーバーの名前の謎?
『百度百科』奥尔良烤翅腌料 / 新奥尔良腌料 (中国語サイト)
【おまけ】
疯狂(クレイジー)や、变态(変態)についても気になる方は、各自でお調べください。
text & photo 小杉勉