店名が「台灣味弁当」から「台味弁当」に変更されたことに伴い、タイトルと本文の店名を変更しています。(2022年8月10日UPDATED)

2020年、80C(ハオチー)Twitterでもタイムラインを賑わせたトピックのひとつと言える、魯肉飯(ルーローハン)。街に台湾の小吃店、タピオカドリンク店、魯肉飯専門店が増え、コンビニエンスストアの棚にも姿を現すようになり、魯肉飯との距離がグンと縮まった一年と言えましょう。

その勢いは、多くの人々で賑わう商業圏だけにあらず。三鷹の閑静な住宅街にも静かに届いていたのでした。

チラ見えの花布を見過ごすな!住宅街の小さな売店

店は、台中出身のご夫婦が営む「台味弁当」(旧店名「台灣味弁当」)。来日以降ずっとこの界隈に暮らし、2020年5月に開店。当面はテイクアウトのみの営業です。

ささやかな看板に「台灣味弁当」。昼のみの営業です。(2022年8月現在は「台味弁当」)

さりげなく飾られた花布が、年季の入った建物の白壁に映えます。看板は目立たぬ存在ながらも、この鮮やかな模様で、台湾好きの目には、台湾にまつわる何らかのスポットであることがわかりますね。

「台灣味弁当」外観。(2022年8月現在は「台味弁当」)

扉を引き店内へ入ると、大きな看板が立てかけてあります。メニュー上の「台味弁当」の4文字の印象が強いからか、ネット情報やマップの登録などでは、これを読んだ「タイウェイ弁当」が店名の通称になりつつあるようです。

通常提供メニューは2種類。
土曜、日曜の限定メニューも。

メニューはシンプル。魯肉飯(ルーローハン)、雞絲飯(ジースーハン)の2品。土日にはそれぞれ限定料理が加わります。

料理は注文を受けてから卵を焼き、できたてを容器へ。大同電鍋、雑貨、お菓子、缶ドリンクが並ぶ物販コーナーを見ながらできあがりを待ちましょう。

店内には物販コーナーもあります。

この日は魯肉飯、雞絲飯、お供のライチビールを購入。バスに乗って三鷹駅まで移動したところで、穏やかで心地よい晴天だし足を伸ばそうか、と予定変更。2つの弁当とビールを携え「風の散歩道」をてくてく、井の頭公園でいただきます!

台湾風味の決め手は油蔥酥(ヨウツォンスー)

中身の見分けは、蓋に記載。カタカナ表記が並ぶとなんだか可愛らしいですね。

料理名は容器に手書き。

そしていよいよ、蓋をオープン!いい香りがフワッとたちのぼり、思わず食欲がさらに増してしまいます。

魯肉飯
雞絲飯

八角の香りを感じた時点で既に独特の心地よさを得られるのですが、さらに「台湾を旅するように」魯肉飯や雞絲飯を楽しめるポイントが潜んでいます。それは…

油蔥酥(紅蔥酥とも)。写真は、池袋友誼商店で購入したものです。

油蔥酥(ヨウツォンスー)、フライドエシャロットです。魯肉を煮込むときや鶏をゆでるとき、雞絲のかけダレなどに油蔥酥を使うと、豊かなコクと香りが与えられるのです。ぜひ油蔥酥からも台湾風情を感じながら、魯肉飯や雞絲飯を味わってみてください。

油蔥酥。そのままだとサクサクとした食感。

混ぜることでおいしさ倍増!

また、店主さんから弁当を渡されるときにもひと言添えられますが、食べるときのポイントがひとつ。

たまごを割って、肉も野菜もごはんも、全体をしっかり混ぜてください!

同店おすすめのおいしい食べ方がコチラ。

目玉焼きの黄身を割ってみると、トロトロ。これを随所に絡ませるようにしっかり混ぜ合わせましょう。しっかり煮込まれた魯肉も、濃厚なタレがかかった雞絲も、まろやかな口当たりになります。

魯肉飯の卵を割ると、とろ~り。
雞絲飯も、卵がそそる!

物販コーナーで見つけた台湾啤酒ブランドのライチビールも進んでしまいますね。

台湾で人気のフルーツビール。こちらはライチ味。

もしかすると「三鷹かぁ、なかなか行かないなぁ〜」と思いがちかもしれません。が、三鷹駅は東京メトロ東西線で一本(一部)。吉祥寺からなら、東急裏の大正通をまっすぐ歩いて20分程度!となると、そんなに遠くもないかと思える場所に!?

コロナ禍、未だ再び気軽に台湾へ旅立てない今、旅する気分でちょこっと足を伸ばしてみるのもよいかもしれません。


「台味弁当」※旧店名「台灣味弁当」

住所:東京都武蔵野市西久保3-9-15(MAP
TEL:0422-52-0884
営業時間:ランチ11:30-14:00(13:40L.O.)ディナー火金のみ17:00-19:00(18:40L.O.)
日曜定休
※2021年11月からイートイン再開(3席設置)、2022年8月よりディナー開始


text & photo :アイチー(愛吃)
中華地方菜研究会〜旅するように中華を食べ歩こう』主宰。日本の中華のなかでも、中国人シェフが腕を振るい、郷土の味が味わえる“現地系”に精通。『ハーバー・ビジネス・オンライン』でも執筆中。