大豆の旨みをソースに託す

淡泊な味わいを活かして豆腐にしたり、発酵させて醤油や味噌などの調味料になる大豆は、スープにしたり、ソースの素にするなど、料理旨みを加える“だしの素”としても万能に使える食品です。

この料理は、そんな大豆をソースに活かした一品。蒸した大豆に調味料を混ぜ、砕いて乾かして作る豆酥(トースゥ)をベースに、ニンニクや豆板醤を合わせたソースを作り、熱々にして、魚と豆腐の重ね蒸しにジャッとかけます。淡泊な鮮魚と豆腐に、たちまち香ばしさと旨みが加わり、つまみにもおかずにもいける味になる瞬間ですね。

豆酥のソースは、魚介や豆腐はもちろんのこと、蒸し鶏や野菜など、幅広い素材によく合うもの。植物由来の食材だけで作られていますから、ベジタリアンの方にもおすすめです。ご家庭でもぜひお楽しみを。

料理:成毛幸雄(神田 雲林
撮影:2011年9月 古樹軒の料理教室にて
中国語料理名:豆酥蒸鮮魚(dòu sū zhēng xiān yú ドウ スー ヂォン シェン ユイ )


Text 長谷川亜紀
photo 西田伸夫