当コーナーは「中華好きを増やす」というミッションのもとに集まった、同士たちのトークセッション。中華を愛し、中華に一家言あるメンバーが、円卓と料理を囲んで、熱く語り尽くします。
※このシリーズは、3月8日に新橋亭新館にて行われた座談会「第1回 中華好き人口を増やす会」の模様をお届けします。
2012/7/10up
[番外編1]中華ツウはこう選ぶ!メニューの決め方
中華のメニューは載っている料理の数が膨大だし、料理名を見ても味がいまひとつイメージできないし、選ぶのもひと苦労…。中国料理店のメニューを見て、そう思うことはありませんか?
しかし「中華ツウの人たち」は、皆独自の視点で調理を選んでいます。では、そのチェックポイントはいったいどこあるのでしょうか?今回の座談会で彼らがセレクトした料理とともに、彼らの料理選びのポイントをご紹介します。
―― みなさんがどんな風に料理を選ぶのか、大変興味があるのですが、選ぶ際に必ずチェックしてしまう料理というのはあるんでしょうか。
古川 そうですね…、新しい味付けみたいものには目がいってしまいがちですね。とはいえ定番料理は定番で大好きですから、それを何品かいただいてから新しいものを、という感じで。
田中 私はお酒とともにすぐ前菜を決めますね。つまみがないと始まらないから。
南條 では、焼味四拼(シャオ ウェイ スー ピン)。
古川 定番ですけど、よろしいですか。回鍋肉(フゥイ グゥォ ロウ)。
―― み、みなさん、料理名がネイティブの発音ですね!
一同 爆笑
南條 それから、ふかひれの土鍋煮込みがいいですね。
―― ふかひれのメニューがいろいろある中で、土鍋ときましたか。
南條 一番うまいと思うから。
福島 では、牛ロースと青菜炒めをいいですか。
―― 焼きもの、ふかひれ、豚肉、牛肉が出揃いました。野菜がないですね。
南條 野菜はね、この腐乳で。
―― 料理長のイチ推しはありますでしょうか。
田中 今日ね、後からちょっとだけうちから出しますから。今年の満漢全席賞味会で出したものです。
古川 個人的には豆豉(トウチ)が大好きなんで、ワタリガニと豆豉の炒めを。
田中 〆のご飯ものというと普通は炒飯ですが、うちは混ぜご飯があるんですよ。火腿(ホウトイ)と漬けもので作ったものです。
古川 これはぜひ食べたいですね。
南條 コースメニューの七番にある、浮き袋と鹿筋(ルウチン)の煮込みもうまそうですね。でも、ふかひれがコラーゲン系だから重なるなあ。
田中 今日うちから出すのは、佛跳牆(フオティャオチァン)と同じように、乾物を煮込んだものですよ。
―― スープですか?
田中 いや、スープじゃなくて煮込みなの。その中に鮑、ふかひれ、海参(なまこ)も入っています。
南條 じゃあ、ふかひれの土鍋煮込みはやめましょうか。
田中 いや、それぞれカットした塊で入っているものですから。ふかのひれは食べたいですよね(髙橋の方を見る)。
髙橋 それは必ず…。
一同 爆笑
髙橋 ふかひれを入れて頂きたい気持ちはありますが、私からは頼めないのでうれしいですね。ありがとうございます。
一同 爆笑
―― では、メニューはそんなところで。バランスよく出揃いました。
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Text 佐藤貴子(ことばデザイン)
料理撮影 林正