そうめんや納豆、豆腐の薬味や味噌汁などに入れるものとして、ミョウガ(茗荷)は身近な存在だ。日本では和食の薬味のイメージが強く、きっと中国料理とはなかなか結び付かないだろう。しかし、中国でも地域よっては、非常になじみのある食材だ。
そのひとつが、中国西南地方の貴州省だ。食べ方は、肉と炒めたり焼いたり漬物にしたりと幅広いが、「ミョウガってこんな食べ方があったんだ!」と目から鱗が落ちるのが“炙り焼き”。
直火を当てることで立ちのぼる野性的な香りと、水分が飛んでじわりと甘みを増したミョウガの風味は、薬味一辺倒で使っていた方にこそ試してほしい食べ方である。

なかなか家で炭を熾すのは大変なので、ここではオーブントースターを使用して料理を再現。青椒(ここではピーマンを使用)、トマトを合わせて、春から夏にかけて楽しめる涼拌菜(熱くない和えもの)をご紹介しよう。
夏野菜の食べ方新提案!焼椒拌陽藿(炙りピーマンとミョウガの和えもの)のレシピ
| <作り方のポイント> ・野菜を焼くときは、できるだけ強火で焼いて炙り香をつける。皮をむくので焦げてもOK。 ・酢は黒酢がおすすめ。まろやかさとコクが出る。 ・木姜油で心は貴州へ。なければ太白ごま油など香りのないものを使おう。 |
[材料]※約2人前
ミョウガ 大4個
ピーマン 3個(100g前後)
プチトマト 2個
▼薬味
にんにく 小さじ1(みじん切り)
小葱 1本(小口切り)
生姜 小さじ1(みじん切り)
▼調味料
塩 ひとつまみ
醤油 小さじ2分の1
黒酢 小さじ2分の1
▼仕上げ
木姜油 小さじ4分の1(クスノキ科の山蒼子の実の油。爽やかなレモングラス香が特徴)

[1]薬味を切り、調味料を合わせる

にんにく、しょうがはみじん切り、小ねぎは小口切りにする。これらは若干増減があっても問題ない。調味料の材料は合わせておく。
[2]ミョウガとピーマンとトマトをオーブントースターで焼く

できれば炭火で炙りたいところだが、日本の一般家庭で炭火を熾すのはハードルが高い。そこでおすすめなのがオーブントースターだ。
イメージは“炭火焼き”なので、ここでは最高温度に設定して、上火でしっかり焼く。表面が黒く焼けるまで焼いていい。そのほのかな焦げ香が最高の調味料になる。

焼けてくると、ピーマンはぷくーっと膨らみ、表面の皮が浮いてくる。焼けやすい順番は、ミニトマト、ピーマン、ミョウガの順。写真のトースターで約15分間、様子を見ながら焼き、ミニトマトから取り出していく(焼きすぎると割れて崩れてしまうため)。
もし、家に魚焼きグリルがあれば、直火で焼けるのでこちらもおすすめだ。野菜を串に刺し、直接ガスの火で炙ってもいい。
[3]ピーマンとトマトの皮をむく
表面がいい感じに焼けたら、オーブントースターから取り出して、ピーマンとトマトの皮をむく。下の写真が、焼けた状態だ。炭火を使うともっと黒焦げになるが、ここではこの程度でOK。

少し冷めたら、トマトもピーマンの皮も指でするっとむける。熱すぎて皮に触れないときは、ちょっと水に浸すといい。逆に、むけなかったら焼きが足りない。下の写真が、皮をむいた状態だ。

[4]ピーマンは手で裂き、ミョウガは縦に切り、トマトは潰してボウルに入れる

ピーマンは種を取り除いて手で細く割き、ミョウガは縦4分の1にカットし、トマトは潰してボウルに入れる。手で裂けるものは裂いた方が、包丁で切るよりも味がなじみやすく、口当たりのいい食感になる。
[5]野菜と薬味と調味料を合わせて混ぜる

ピーマン、ミョウガ、トマト、薬味、合わせ調味料を加えて和えて全体に味がなじむように混ぜる。
[5]木姜油を少量たらしてできあがり

木姜油(ムージャンヨウ|日本では一般的に「ムージャンユ」と表記)は、貴州省の少数民族の料理によく用いられるフレーバーオイルで、クスノキ科の山蒼子の実の香りを油で抽出したものだ。スッキリと爽やかなレモングラス香が特徴で、鶏肉の冷菜、魚料理、蒸しなすなどとも相性がいい。
使わなくても料理としては成立するが、この鮮烈な香りは、炙り香と抜群に相性がいい。写真は貴州省で購入したものだが、日本では「友加」というブランドの木姜油が流通している。中華の油の香りというとごま油がよく用いられるが、木姜油を使うと、全く異なる世界の料理になる。ひとつあると料理の香りの幅が広がるので、ぜひ試してみてほしい。
なお、木姜油の入れすぎは禁物。数滴に留めるのが成功のコツだ。木姜油を使わない場合は、太白ごま油など香りがないものを数滴入れて、和えものに艶やかな輝きを加えよう。また、好みで花椒粉を入れたり、煎った唐辛子粉を加えてもいい。
炙り香と木姜油のレモングラス香で貴州へ!刻んでソースにしても美味

炙り焼いて野菜に香りをつけ、皮をむいて焦げを落とすという工程を加えるだけで、香りがぐっと広がり、野菜の水分は凝縮されて味が濃くなる。そこに生の生姜やにんにくのパンチ、黒酢のまろやかさ、木姜子のレモングラス香が絡めば、一気に心は貴州へ!
さらにこれらをすり鉢などで叩いて潰し、ペースト状にしたものは、肉のソースやBBQのつけだれ、鍋のたれにもぴったり。BBQで余った野菜を焼き、この料理に仕立てても、目先の変わったつまみができること請け合いだ。
中医学では、ミョウガは気の巡りをよくして脾(胃)の働きをよくし、ピーマン(青椒:チンジャオ)は肝の働きをととのえるため、春にぴったりの食材である。ぜひこれからの季節、さっぱりとして食欲の増すつまみ&前菜としてお楽しみください。
[参考までに]ミョウガは陽藿、蘘荷、野荷、野姜、洋荷、茗荷など中国語でさまざまな表記が見られますが、ここでは貴州省で見かける陽藿(阳藿)という表記にしました。
RECIPE & PHOTO & TEXT サトタカ(佐藤貴子)








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