中華料理店の掲載は26店舗!
昨年と掲載数は変わらず、入れ替えも

毎月新規開業店があり、予約の取れない店も出現し、なかなか活況といえる東京の中華料理シーン。年末を目前に控えた11月30日(金)、今年で12年目となる『ミシュランガイド東京 2019』が発売になります。

そのオフィシャルサイト『クラブミシュラン』では、ガイドブック発売に先駆け、11月27日(火)から、クラブミシュラン会員向けに掲載店を公開中。

80C(ハオチー)では毎年チェックしておりますが、2016年版は19店舗、2017年版は21店舗、2018年版は26店舗と順調に増加。最新の2019年版はどうなっているでしょうか。さっそくご紹介していきましょう。

※()内は所在区/最寄り駅です。
※新たに加わった店はNEWマークをつけています。


【二つ星★★】2018年と同じ2店舗!

茶禅華(港区/広尾)
御田町 桃の木(港区/三田・田町)

二つ星の定義は「遠回りしてでも訪れる価値のある素晴らしい料理 ―熟練した技術で丹念に仕上げられた料理は、シェフの個性と能力をしっかり示している―」レストラン。昨年同様「茶禅華」と「御田町 桃の木」が2つ星に輝きました。

「茶禅華」は、川田智也シェフが提案する“和魂漢才”をコンセプトにした旬のコースに、ドリンクペアリングの提案、広尾の一軒家というロケーションと三拍子そろった店。皿の上のみならず、サービスや空間など、すべてを含めて非日常が体感できるため、特別な日の食事にぴったりといえるでしょう。

一方、「御田町 桃の木」は、磨き抜かれた料理を安定した味わいで提供する店。鎮江黒酢の酢豚、パパイヤの蒸しスープといったスペシャリテも揃っています。小林武志氏シェフは「日本橋 古樹軒」の料理教室「中国料理の友」レギュラー講師としても人気です。

茶禅華
御田町 桃の木

【一つ星★】2018年より1店舗増の10店舗!

一つ星の定義は「そのカテゴリーで特においしい料理 ―常に良質な料理を提供している―」レストラン。選出されたのは以下の店です。

厲家菜 銀座(中央区/銀座)
瑞雪(世田谷区/梅ヶ丘)
銀座 やまの辺 江戸中華(中央区/銀座)NEW
センス(中央区/三越前)
ミモザ(港区/表参道)
中華 うずまき(港区/赤坂)
私厨房 勇(港区/白金)NEW
琥珀宮(千代田区/丸の内)
富麗華(港区/麻布十番)
広尾はしづめ(港区/広尾)

 

2019年の1つ星は、カウンターメインの中華が2店舗増えました。ひとつは、日本の旬の食材を豪勢な中華で楽しませてくれる「銀座 やまの辺 江戸中華」。そしてもうひとつは、白金にあるカウンター中華の人気店「私厨房 勇」です。

銀座 やまの辺 江戸中華
私厨房 勇

「快適度」を表現するスプーン&フォークのマークがついた店の中でも「特に魅力的」な店は、昨年同様「センス」「琥珀宮」「厲家菜 銀座」。このマークが揃った店は、記念日の会食、きちんとした接待ができる店の指標として参考になるはずです。


【ビブグルマン】新たに3店舗登場!数は昨年マイナス1の14店舗

ビブグルマンの定義は「コストパフォーマンスの高いレストラン ―丁寧に作られた良質な料理が手ごろな価格で楽しめる―」レストラン。選出されたのは以下の店です。

豊栄(文京区/茗荷谷)
中国食酒坊 まつもと(杉並区/西荻窪)
ENGINE(新宿区/神楽坂)
中華香彩 JASMINE(渋谷区/広尾・恵比寿)
jeeten(渋谷区/代々木上原)
中華酒家 大三元(墨田区/錦糸町)
中華銘菜 圳陽(中野区/東高円寺)
なかの中華!Sai(中野区/中野)
中国菜 膳楽房(新宿区/神楽坂)
錦福 香港美食(千代田区/九段下)NEW
Matsushima(渋谷区/代々木上原)NEW
楽記(港区/外苑前)
中国四川料理 梅香(新宿区/神楽坂)
くろさわ東京菜(大田区/大森)NEW

 

今年新たに掲載されたのは3店舗。まず、2018年にオープンし、香港好きを中心に話題になった、焼味(ロースト料理)中心の店「錦福 香港美食」。続いて、中国少数民族の料理にインスパイアされて作られたエキゾチックな中華と中国地酒の店「Matsushima」。そして、厳選された素材をキレイな味付けで楽しませてくれる「くろさわ東京菜」です。

錦福 香港美食
Matsushima
くろさわ東京菜

『ミシュランガイド東京 2019』雑感

今年の中国料理カテゴリは、昨年と掲載点数は変わらず、大きな変動はなし、といったところでした。

振り返ってみれば、2018年版は期待を集めた「茶禅華」が2つ星に輝き、錦糸町「大三元」のように、昔ながらの親しみやすい味を出す店も掲載された年。

それに加えて、2019年版は「銀座 やまの辺 江戸中華」や「勇」のようなカウンター中心のライブ感あふれる中華が登場。さらに「Matsushima」のようなハーブやスパイスの効いた中華が選出されたところに、今の東京らしさを感じます。

もちろん、東京の飲食シーンに活気や刺激をもたらしている店は、掲載店以外にもたくさんあります。新店情報やこだわりの店の情報は、引き続き、80C(ハオチー)でチェックしてみてくださいね。


text & photo 佐藤貴子(サトタカ)