総画数50超という激ムズ漢字、極太の麺、店内に響き渡る麺打ちの音。どの角度から接してもインパクト大、多くの人々の心を掴んで離さないビャンビャン麺。

日本各地へも広がりをみせるビャンビャン麺旋風。その勢いの牽引役とも言えるビャンビャン麺専門店「西安麺荘 秦唐記」が、中央区新川に続き、2020年2月10日(月)、神保町に2号店オープンとなりました!

神保町・九段下両駅から近く、靖国通り沿いでアクセス至便なのが嬉しいですね。

「西安麺荘 秦唐記 神保町店」外観。
店内には書き順の字書き歌も。

神保町で食べたい、定番ビャンビャン麺はこれだ!

神保町店も新川の本店同様、ビャンビャン麺のラインナップが豊富です。なかでも必食は、メニューに掲げた「西安3大定番の味」。

油かけピリ辛味のヨウポー麺(油泼面:油溌麺)、トマトたまご味のトマト麺(西红柿面:西紅柿麺)、ひき肉あんかけ味のジャージャン麺(炸酱面:炸醤麺)です。

ヨウポー麺(油泼面:油溌麺)。
トマト麺(西红柿面:西紅柿麺)。
ジャージャン麺(炸酱面:炸醤麺)。

3品はいずれも汁なし麺。運ばれてきたら、すぐに全体をしっかり混ぜるのが、美味しく食べる重要なポイント。麺の太さや重みを感じながら、油・ソース・餡が麺全体に絡むようにガシガシッと混ぜましょう。

そして、これら「西安3大定番の味」を一気に楽しめる一杯が全盛り麺(全套面:全套麺)。これも実は定番のひとつ。

食べ方は、3つそれぞれの味をそーっと箸にとり口に運び食べわけ…

全盛り麺(全套面:全套麺)

というわけではありません。こちらも、全体をしっかり混ぜ合わせましょう! すると、ヨウポーの唐辛子の「辣」、トマトの「酸」、ジャージャンの「甜」の、三「味」一体を楽しめるのです。

食べる前は「えぇっそんなこと…」と若干気が引けてしまう方も、トライしてみると嬉しい驚きに出合えることでしょう。

麺のゆで汁が消化を助ける「原湯化原食」とは?

これらの汁なし麺には、麺と一緒に謎の白濁スープが添えられます。

実はこれ、麺の茹で汁(面汤:麺湯)。西安をはじめ、陝西省近隣各地、例えば甘粛省の蘭州牛肉麺店などでも麺と一緒に提供されます。

これを「原湯化原食」といいます。「化」は消化を指し、茹で汁に溶け出したでんぷんに含まれる酵素が、消化器への負担を和らげてくれる、と考えられているのです。

ひと口コクリと飲んでみれば、たちまち中国西北地域を旅しているかのような気分に。

中国を巡り、世界を巡る週替わり麺がおもしろい!

また、西安定番の味だけでなく、スープ麺(汤面:湯麺)も揃っています。例えば、肉と野菜の角切りをのせたサオズ麺(臊子面:臊子麺)。

サオズ麺(臊子面:臊子麺)。

さらに「秦唐記」で人気を誇る、お楽しみの週替わり麺。毎週月〜日曜日を基本サイクルに、数量限定でさまざまなビャンビャン麺が登場します。

そのバリエーションは、中国各地の名物をアレンジしたものから、世界の料理とのコラボまで。これまで実に豊富な味わいが提供されてきました。

例えば、ダーパンジーバンメン(大盘鸡拌面:大盤鶏拌麺)、ヤンロウホイメン(羊肉烩面:羊肉燴麺)、チーシャンサオズメン(岐山臊子面:岐山臊子麺)。

好評を博した味は、リクエストに応えるべく再登場することも!

ダーパンジーバンメン(大盘鸡拌面:大盤鶏拌麺)
ヤンロウホイメン(羊肉烩面:羊肉燴麺)
チーシャンサオズメン(岐山臊子面:岐山臊子麺)

煙立つところ藍田の料理人あり!厨師の郷から東京へ

これだけ多種類の味を「週替わり」というハイペースで考案し続けることはさぞ大変なのでは…?

そう厨房を任せられている馮シェフに問うと、「週替わりを何にしようかと思い巡らせている時間が楽しくてたまらない」のだといいます。

なぜなら、馮シェフの願いは「より多くの人々にビャンビャンメンを知ってもらい楽しんでほしい。故郷西安の誇るべき食文化を日本の人たちに知ってほしい」ということ。

「皿の上からだけでなく、目でも楽しんでほしい」と、新川の本店同様、神保町店でも麺を打つ様子をガラス越しに見ることができるのもそんな思いから。

麺打ちのビャンビャンという音も店内に響きます。

「西安麺荘 秦唐記 神保町店」の店内。客席から麺打ちが見えるのも楽しい!

そんな馮シェフは、西安の中心部から南東へおよそ30kmのところにある、藍田県(らんでん:蓝田县)の出身。

藍田県といえば、呉の孫権から諸葛瑾への言葉「藍田生玉」にも登場する、玉(ぎょく=玉石)の名産地であり、北京原人よりさらに原始的と言われる50〜60万年前の化石人類「藍田原人」の発見地でもあります。

しかし、県全体的としては貧しい地ともいわれ、お腹いっぱい食べることができる暮らしを叶えるため、かつては藍田人の多くが料理人を目指したそう。

杓子ひとつ携えて全国各地へ出向き、修行を積み、実戦を重ねながら、多くの人の舌を愉しませた藍田人。のちに改革開放後は、全国から料理人を志す者が藍田県へ集まり、学んだあとに各地に巣立ったという歴史があります。

ゆえに、現在は厨師之郷(料理人のふるさと)として名高く、中国では「煙立つところ藍田の料理人あり」という言葉もあるほど。

西安市街地の「德发长(徳發長:餃子)」「春发生(春發生:モツの泡饃(パオモー))」といった名だたる老舗の厨房にも、藍田県出身の料理人が在籍しているとか。

馮シェフもまた、藍田出身の厨師として、ここ東京で西安の食文化を広め伝えているのです。

店長の杉本さん(左)と馮シェフ(右)。

BiangBiang麺譜も必見!陝西省の文化に触れよう

また、「秦唐記 神保町店」の楽しさはメニューブックにも。2冊あるうち1冊は「菜譜(メニュー)」ならぬ「BiangBiang麺譜」。

そこに、料理はもちろん、激ムズ漢字の「ビャン字書き歌」や、茹で汁の話、かわいい器に描かれたイラストについてなど、豆知識がギュッと詰まっています。

注文を終えたあと、料理を楽しみに待つ間に、ビャンビャンと鳴り響く麺打ち音をBGMに、こちらもぜひめくってみてください。

BiangBiang麺譜。
麺の太さが選べるのもポイントです。夜の営業は全部で4種類からチョイス可能。

神保町店のオープンをきっかけに、ビャンビャン麺旋風は止まらない予感。新川本店からのファンも、実はまだビャンビャン麺を食べたことがない人も、本を探しに書店街へ出向く前のエナジーチャージにも、ぜひ行ってみてくださいね。

★神保町店は先着1,000名さまに開店記念品をプレゼント中!
★会計はしばらく現金のみになります。

西安麺荘 秦唐記 神保町店
住所:東京都千代田区神田神保町3-2-5 九段ロイヤルビル1F(地図
アクセス:神保町駅A2出口から徒歩3分、九段下駅5番出口から徒歩3分
電話:03-6256-9787
営業時間:11:00~15:00 17:00~23:00
定休日:年中無休

 

text & photo:アイチー(愛吃)
中華地方菜研究会〜旅するように中華を食べ歩こう』主宰。日本の中華のなかでも、中国人シェフが腕を振るい、郷土の味が味わえる〈現地系〉に精通。『ハーバー・ビジネス・オンライン』等でも執筆中。

★アイチーさんの記事は、毎月10日前後に公開となります。お楽しみに!

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