中国小吃のメッカ、西川口で発見!撫順人がつくる麻辣拌(マーラーバン)2選
日本で麻辣烫(マーラータン:麻辣湯とも)を食べられる店はかなり増えているものの、麻辣拌(マーラーバン)はまだほとんど見つけることができません。
しかしなんと! 2023年の春夏、埼玉県南部のチャイナタウンとしても知られる西川口に、相次いで2軒登場。しかも両店とも、撫順出身の店主による撫順麻辣拌をいただけます。
[東口]麻辣拌&韓国中華が充実!「一麺の縁 田家(たや)」
西川口駅東口から歩いて2~3分、駅から気軽に立ち寄りやすい場所にある「一麺の家 田家」は、2023年7月8日にオープンしています。

店の前には冷麺やビビンバののぼりを立て、入口前の黒板には「韓式辣炒鉄板五花肉 ゼユクポクム(豚肉炒め)」とある通り、メニューには韓国中華が充実。
その傍ら、入口付近の大きな看板に掲げられているのが「抚顺老式麻辣拌(撫順老式麻辣拌)」の文字です。

熱量のある紹介文に、注文せずにいはいられない!
メニューは、テーブルにあるQRコードをスマホで読み込んで表示する形式。気になる麻辣拌の注文画面は、熱量のある紹介文が目を引きます。
「麻辣湯(マーラータン)」をメガ進化させた「汁ナシ麻辣湯」ともいうべき料理が「麻辣拌(マーラーバン)」。もともと四川省で定番料理となっている麻辣湯ですが、それが遼寧省で麻辣拌となって愛されていて、店主地元の中国撫順の名物であり、最近日本でも人気のあるマーラータンの汁無しバージョン!「ライスのおとも」または「お酒のおとも」として最高のデキ |
そして、実際に出てきた麻辣拌(注文画面はマーラーバン(元祖味)と表記)は、木耳・じゃがいも・ピーナッツ・キャベツ・油揚げ・ウインナー・うずら卵・板春雨・えのき・青梗菜・魚すり身団子が入り、具沢山でボリューミー!

味わいは黒酢のまろやかな酸味が際立ち、次いで甘味、辛さはほんのり。具は温かいタレと和えてあり、酸甜(酸っぱくて甘い)味わいです。板春雨の存在感もあり、食後には麺料理をしっかりいただいたような食べごたえになりますよ。

[西口]甘酸っぱい麻辣拌と串料理がおすすめ「熊二家(くまにや)」
2023年5月24日オープンした「熊二家」は、麻辣拌と炸串(揚げ串)が楽しめる軽食店。ユニークな店名は「奥さんがそう呼ぶんですよ」という店主のニックネームだそう。オレンジ色の看板には、店名とともに「麻辣拌(マーラーバン)」の文字が記されています。

料理の注文はタブレット形式。メニューを見ると、麻辣拌には単品だけでなく、方便麺(インスタントラーメン)をプラスしたメニューもあり、冷麺などの主食類、炸串(揚げ串)も充実しています。

麻辣拌の具は、網状にカットしたじゃがいも・れんこん・ウインナー・おでん種の揚げボール・ちくわ・キャベツ・青梗菜・豆もやし・砕きピーナッツ・白胡麻。食べると甘味がグンと際立っていて、黒酢の酸味と辛味がふわりと漂います。
具の和えだれは温かく、味わいは甜酸(甘く酸っぱい)。野菜がたっぷり入っていますが、方便麺(インスタントラーメン)入りを注文して、さらにボリュームを増してもよさそう。

炸串(揚げ串)と一緒に食べればさらに内容が充実!
また、サイドメニューにおすすめなのが干豆腐金針菇(えのき茸の干豆腐巻)、脆皮猪肉(カリカリ豚肉)などの炸串(揚げ串)です。クミンや唐辛子がかかったピリ辛スパイシーな衣で、カリッと心地よい食感がクセになります。胃袋のキャパシティに自信のある人は、ぜひ注文に加えてみてくださいね。

なお、店のある西川口駅の西口側は、中国料理店・中華物産店ともに充実したエリアです。ほとんどの店は駅からさほど遠くない範囲に集中していますが、「熊二家」は西口から歩いて7~8分の住宅街の中。
駅前通りを進み、西川口駅西口交差点を左折し、人気店の「食彩雲南」や「橋頭私家菜」、陸橋をくぐり、朝食や麺食で人気の「香楽福」を通り過ぎたその先にあるため、西川口のチャイナタウンエリアを散策しながら行けるのも楽しいですね。
一麺の縁 田家(たや)
住所:埼玉県川口市並木3-9-5(MAP)<西川口駅 東口>
TEL:048-299-8299
営業時間:11:00-22:00
月曜定休
熊二家(くまにや)
住所:埼玉県川口市西川口5-1-16 第2マルキ荘(MAP)<西川口駅 西口>
TEL:080-7166-6777
営業時間:11:00-23:00(L.O.22:00)
不定休(月曜多め)
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text & photo :アイチー(愛吃)
『中華地方菜研究会〜旅するように中華を食べ歩こう』主宰。中華料理にまつわるコーディネート、アドバイス、監修などを行う。一つの「食」を愛し、味も知識も徹底的に極めた「偏愛フーディスト」がプロデュースする期間限定レストラン『偏愛食堂』中華料理担当として、多彩な中華地方菜の楽しさを伝えている。★アイチー執筆・出演記事はこちら