未来の巨匠―――。その言葉を聞いて思い出すのはやはり、料理バラエティ『チューボーですよ!』ではないでしょうか。
そこに登場するのは、繁盛店を影で支え、地道ながらもなくてはならない仕事を日夜重ねる若手料理人たち。厨房で励む姿を垣間見て、「がんばれ」と心で声援を贈ったのは、80C(ハオチー)の読者さんならきっと、一度や二度ではないはず…。
残念ながら、同コーナーはなくなってしまったのですが、さて、ここからが本題です。
そんな“未来の巨匠”たちがリアルにみなさんの前で腕を振るう、まったく新しい中華レストランがオープンしました。その名も、わかば食堂です。
わかば食堂とは?初回レポート
わかば食堂は、有名中国料理店の若手料理人が週替わりで料理長を務める、今ここだけのランチタイムレストラン。
「わかばマーク」からイメージされるように、出場権は35歳以下の若手中国料理人のみ。料理長から店の代表として認められた精鋭たちが、毎週水曜にこのリングに上がります。
(2020.1.29追記:2020年より開催が毎週水曜日から火曜日に変更となりました。)
記念すべき第一回(2014年2月19日(水))は、浅草橋の人気店「馥香(フーシャン)」より、木谷美人(きやよしと)さん(22歳)が登場。
この日は厳寒ながら、開店15分前には店の前に10名以上が列を成し、開店と同時に全28席(テーブル4席×6卓、カウンター4席)はほぼ満席。木谷さんは開店して間もなく鍋を煽り続けるという、怒涛のスタートで幕を開けました。

メニューは、馥香の人気ランチメニューでもある「鮭の炒飯 自家製いくら醤油漬け添え」と、うるい、こごみ、つぼみ菜など、ほろ苦い春の味覚と海老、イカを塩だれで炒めた「海鮮と春野菜のあっさり炒め」の2種類。わかば食堂では、料理の原価は売価の50%までかけていいルールなので、食材もしっかりこだわることができます。
鮭の炒飯 自家製いくら醤油漬け添え
海鮮と春野菜のあっさり炒め
特に春野菜は季節感からお客さまの興味を引いたのか、なんと12時10分には完売御礼。食後に書いていただいたアンケートを見ると、「あっさりとしていて食べやすかった」「油っこくなくてよかった」「塩味がちょうどいい」と、好意的なコメントが! 一方で、「ちょっと冷めていた」「もっと量がほしい」という御指摘もありました。
また、お客さまはオープン初日の来場ということもあり、いったいどんなものなのか、ワクワクしながら連れ立って来られた方が多かったよう。客席で耳を澄ましていると、「あの子テレビに出るかしら?」「あまり厳しく評価するのもいやみ臭いかしら?」など、思い思いにイベントを楽しまれている様子が伝わってきました。
そして13時30分を過ぎる頃には、予定よりも10食以上多く提供した炒飯も売切御礼。木谷シェフの想いが詰まったここだけのレストランは、盛況のうちに幕を閉じることができました。

今後は礼華(らいか)、明治記念館、龍鳳、飄香(ぴゃおしゃん)、アルカディア市ヶ谷などの若手料理人の参加が決まっているわかば食堂。ここに未来の陳建一、未来の脇屋友詞が潜んでいるかもしれません。若手の夢を一緒に追う“幻のレストラン”、ぜひ一度、御来店を!
わかば食堂OPEN:毎週火曜日 11:30~14:00L.O. (2020年より、毎週水曜日から火曜日に変更) C’s kitchen(シーズキッチン)は「日本の中華をもっと楽しく」をコンセプトにしたファクトリー&キッチンスタジオ。運営を手がけるのは、80C(ハオチー)のページオーナーである中国食材専門商社、株式会社中華・高橋です。場所は清澄白河駅から徒歩約10分、清澄庭園や東京都現代美術館にもほど近い立地です。 |