新鮮野菜で、ひと味違う手づくりの味を!
中華漬けものレシピ

酒のつまみや、定食系ランチに欠かせないのが漬けもの。定食の一品や酒のつまみに、手作りの浅漬けやヌカ漬けが出されると、料理人の手仕事に、うれしい気持ちになりますよね。

特に中国料理店の場合、漬けものといえばザーサイが多いため、自店で漬けた一品がでてくると、料理人のこだわりや矜持を感じるもの。

そこで今回は、古樹軒の料理教室レシピより、有名シェフがつくる、ひと味違う中華の漬けものをご紹介。実践できるレシピつきです!

北京風 白菜の甘酢漬け(北京芥末白菜)

北京芥末白菜

酸っぱくて甘い中に、ほのかな清涼感が味わえる、北京風の漬けものです。 白菜は、甘みがあって生食にも適する「黄芯白菜」がおすすめ。仕込んだ翌日から食べられます。

【材料】
白菜…適量
[調味液]
上白糖…60g、白酢…50cc、塩…大さじ1、芥子粉(マスタード粉)…大さじ1
花椒…小さじ1

【作り方】
(1)漬け込み容器に調味液を合わせておく。
(2)白菜をたっぷりの湯でしっかりとゆで、水で冷やした後、
しっかりと水気を切る。
(3)(2)を(1)で漬け込み、1日置く。
(4)調味液を軽く切り、食べやすい大きさに切って盛りつける。

【料理メモ】
芥子粉が手に入らない場合は、粒マスタードを利用しても。参考までに、小林武志先生の著書「進化する中国料理の前菜」では、同様の料理が粒マスタードで作られています。

料理:小林武志(御田町 桃の木
撮影:2012年3月 古樹軒の料理教室にて
中国語料理名:北京芥末白菜(běi jīng jiè mò bái cài / ベイ ジン ジェ ムォ バイ ツァィ)

ウドの四川式醤油漬け(開胃土当帰)

開胃土当帰

醤油と香味野菜の味と香りをしっかり移した、おつまみにぴったりの漬けものです。ウドの歯ごたえと独特の香りが、口中に春を呼ぶ一品。

【材料】
ウド(土当帰)…2本、酢…適量
[調味液]
醤油…75ml、上白糖…30g、黒酢…10ml、中国セロリ…5g、わけ葱…10g、生姜(薄切り)…10g、ニンニク(薄切り)…10g、小米椒(小さく辛い唐辛子の品種:乾燥品)…5g、湯ざまし…250ml

【作り方】
(1)ウドは皮をむき、5cmの拍子切りにして、酢水につけてアクを取る。
(2)中国セロリとわけ葱は5cmに切り、軽く包丁で叩いて香りを出す。
(3)調味液の材料を合わせ、(1)の水気を切って一晩漬ける。

【料理メモ】
井桁シェフは山西省の黒酢を使用しています。
沸騰させた湯を冷ましてから使うのは、生水を殺菌するためです。湯ざましを使うことで、漬けものの雑菌の繁殖を防ぎます。

料理:井桁良樹(老四川 飄香
撮影:2012年3月 古樹軒の料理教室にて
中国語料理名:開胃土当帰(kāi wèi tǔ dāng guī / カイ ウェイ トゥ ダン グゥイ)
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ミョウガの甘酢漬け(甜酸茗荷)

甜酸茗荷

日本ではそうめんや味噌汁などの薬味に使うことが多いミョウガを、香り高い漬けものに。30分くらいで作れ、色も美しいので、前菜の一品におすすめです。

【材料】
ミョウガ… 5個、唐辛子(輪切り)…適宜
[調味液]
水…150cc、酢…50cc、砂糖…大さじ1.5、花椒…小さじ1、昆布(乾燥)…適量、ゴマ油…小さじ1

【作り方】
ミョウガを縦半分に割り、唐辛子とともに調味液に20~30分漬ける。

料理:山本豊(知味 竹爐山房
撮影:2004年5月 古樹軒の料理教室にて
中国語料理名:甜酸茗荷(tián suān míng hé / ティェン スゥァン ミン フー )

キュウリの炒め漬け(熗黄瓜)

キュウリの炒め漬け(熗黄瓜)

醤油のうまみ、酢の酸味、爽やかな花椒の香りをまとった風味豊かな漬けものです。
熗(簡体字で炝)とは、材料をゆでた後に調味料で和えたり、炒めて香りを出した後、調味料や水を加えて煮たりする調理法のこと。ここでは炒めてから煮る方法で作ります。

【材料】
キュウリ…5本、赤唐辛子(生)…2本、花椒油…大さじ1、青山椒…30g、花椒(粒)…10g
[調味液]醤油…2カップ、酢…2カップ

【作り方】
(1)キュウリは、縦4等分にしてワタを取り、食べやすい大きさに切る。
生唐辛子は細切りにする。
(2)調味液の材料を合わせる。
(3)油慣らしをした鍋に、山椒油、青山椒、粒山椒を入れて炒める。
(4)香りが出たら、(1)のキュウリと生唐辛子を入れて手早く炒める。
(5)鍋に2の調味液を50mlを加え、香りを立たせる。
(6)残りの調味液に(5)を入れて浸す。
(7)(6)ををかき混ぜながら常温まで冷ます。
(8)汁気を切って盛り付ける。

【料理メモ】
常温まで冷ますとキュウリに味がしみ込みます。保存するときは汁気を切っておきます。

料理:小林武志(御田町 桃の木
撮影:2009年7月 古樹軒の料理教室にて
中国語料理名:熗黄瓜(qiàng huáng guā / チィァン フゥァン グァ)

 

Recipe 井桁良樹(老四川 飄香)、小林武志(御田町 桃の木)、山本豊(知味 竹爐山房)
Editing 佐藤貴子(ことばデザイン)
Photo 西田伸夫(料理)、彩菜茶屋(うど)