家で手間をかけずに、爆速でおいしいものを食べたい。でも、ちゃんとしたものを食べた気分もほしい。そんなとき、“自然のうまみ”を練り込んだ乾麺がおすすめです。

自然のうまみとは何か? というと、ホタテ貝柱(瑶柱)、川エビの卵(蝦子)、アワビ(鮑)などの高級乾貨

これらの練り込み麺は、香港やマカオ(澳門)など広東料理文化圏でおなじみで、お土産の定番。現地ではスーパーや専門店で買えるほか、昨今は日本の中華食材店等でも蝦子麺(乾燥させた川蝦の卵を練り込んだ麺:ハージーミン:haa1zi2min6 ※広東語読みをよく見かけます。

マカオ「喜臨門麺麵家」の蝦子麵。1玉50gなので、おやつにもちょうどいい量。
澳門「喜臨門麺家」の麺売り場。
マカオ「喜臨門麺麵家」の店頭。タイミングが合えば、店内で製麺するところを見られる。(撮影:2023年9月)
澳門「喜臨門麵家」の貝柱と蝦子の麺。
マカオ「喜臨門麵家」の瑤柱蝦子麺(貝柱と蝦子の練り込み麺)。価格は1斤単位。(撮影:2023年9月)
香港「香港仔有記粉麵廠」の西營盤駅前店。蝦子麺は星級、頂級、特級と3ランクに分かれています。(撮影:2023年7月)

一般的に、これらの麺は細目のストレートで、独特のコシがあり、プツッと切れる歯切れのよさが身上。なにより自然のうまみが練り込んであるので、あれこれ具を入れることなく、ゆで上げをサッと食べられる手軽さがいいですね。

[蝦子麺のゆで方]目安は2分弱。ポイントは「ゆですぎない」。

マカオ「喜臨門麵家」の蝦子麵(半斤)。

こうした練り込み麺のなかでも、販売している店が多く、買い求めやすいのが蝦子麺です。食べ方は簡単で、ゆでて薬味を和えるだけ。ゆで方は次の通りです。

①鍋に湯を沸かす。
②沸騰した湯に乾麺を入れる。
③30~40秒くらいで乾麺がほどけてきたら、箸でほぐす。
④ほぐした麺を1分くらいゆでて味見する。
⑤シャキッとした硬さであればOK!(ここまで2分弱)

調理のポイントは「ゆですぎない」。なぜなら、ゆですぎるとプツプツと切れやすくなる上、麺に練り込まれた自然のうまみがゆで湯に多く流れ出てしまうから。メーカーや麺の種類よって若干違いもあるので、ゆでて1分経ったら食感を確認し、好みの塩梅を見つけましょう。

[蝦子麺の食べ方]油と薬味をかけるだけ!シンプルに麺のうまみを味わう。

そんな蝦子麺を最もシンプルに味わうなら、ゆでたての麺に、少量の油と香味野菜を加えて混ぜるのがおすすめ。麺そのものにうまみがありますから、あれこれ調味料を入れなくても味が決まります。

よく見ると麺に蝦子の粒粒が。

写真(上)の調理は、麺1玉(50g)をゆで、フライパンに油を入れ、小葱を入れて軽く香りを出したものを麺に和えただけ。必要であれば塩を少々加えます。

また、下の写真はニラと油で和えただけ。油を使うと麺がくっつきにくく、箸で持ち上げやすくなります。その際、ごま油のような強い香りのものではなく、あまり香りのないものや、香港・マカオ・広東省でよく用いられるピーナッツ油を使ってもいいでしょう。

写真(上)は香港仔有記粉麵廠の蝦子麵2玉(100g)。加えたのはニラとピーナッツ油。 。

麺の食感はどこかシャキシャキとした印象もあり、「のびる」という言葉とはほど遠い感じ。こんなにも手軽なのに、あまりジャンキーなものを食べている気がしないのも練り込み麺のよさです。

[蝦子撈麺]蝦子は年々高級化。練り込み麺ならお手頃価格。

ちなみに、海鮮のうまみを練り込んでいないふつうの麺の場合、ゆでた麺にオイスターソースとゆで野菜を添えたり、ワンタンを添えたりして食べられています。また、川エビの卵を乾燥させた蝦子をたっぷりとかけた蝦子撈麺は、香港やマカオの観光客にも人気ですね。

澳門「黃枝記」の蝦子撈麺(スープつき)。惜しみなく蝦子がかかっています。店内ではお持ち帰り用(お土産向き)のパックも販売。

蝦子は、約20年前はそれほど高い調味料ではなかったのですが(日本で購入する場合、50gで600円くらい)、昨今はずいぶん値上がりしています。今では香港やマカオで食べる蝦子撈麺も、日本円に換算して1皿1,000円超えも珍しくありません。

澳門「黃枝記」の蝦子撈麺。1本あたりの麺が長いので、店の方にお願いすればハサミで切ってくれます。

天然の乾貨は高級なのでなかなか手軽に買えませんが、練り込み麺なら購入も調理もかなりハードルが下がるのもうれしいところ。日本でも見かけたらぜひ活用してみてはいかがでしょう。


TEXT&PHOTO サトタカ(佐藤貴子)