もっと知りたい!腸粉の原料と作り方

そもそも腸粉は何でできているのか?というと、主原料は米です。粘米粉と呼ばれるうるち米を原料とした粉に水を加え、白くサラサラの米漿(ミージャン)を作り、バットや専用の布の上に薄く流し、蒸してクレープ状の薄い生地を作ります。

汕頭市内の腸粉店で、店内に積み上げられた米の袋。「本地冬粘」と書かれた広東省産の米粉(こめこ)を使っています。

この生地を巻くのか、寄せてヒダをつけてまとめるのか、オムライス状に被せるのかは地域によってさまざまですが、巻くタイプと、ヒダ寄せタイプはぷるぷるとした生地を味わうことに比重があり、オムライスタイプはたっぷり包んだ具を味わうことに比重があると考えられます。

そのため、巻くタイプとヒダ寄せタイプは米漿にでんぷんを加え、やや破れにくく、もちっとして半透明な生地に仕立てることが多く、オムライスタイプは粘米粉のみで作ることが多いです。

広州市内の腸粉専門店。薄い布の上に米漿を流し、蒸し上がったら布を外します。

もちろん、巻くタイプでも米粉100%で作る店もあるので、そこは各店のこだわり次第。どちらがいいというわけではありませんが、でんぷんを加えたものは現代人の嗜好や見た目に配慮した作り方、米粉のみのものは昔ながらの作り方、と言えるかもしれません。

汕頭で腸粉を売る店の多くは、他の米粉(こめこ)製品も作っています。

また、蒸すときは、バットが引き出し状になった腸粉専用蒸し器を使うこともあれば、1枚1枚生地を流して作ることも。使う道具によって、生地は四角や丸形に形を変えます。

仕上げに具をのせ、生地と具をひとつにまとめたら、たれをかけてできあがり。そのバリエーションは、前のページでご紹介したようにさまざま、というわけですね。

広東省佛山市高明の腸粉。

必ずしも、紹介した地域で同じかたちの腸粉が食べられている、というわけではありませんが、

・海南省は大きく具がたっぷり。卵を加えるのも人気
・香港・澳門(マカオ)は軟らかでくるりと巻いて、ピーナッツ油と甘塩っぱい醤油だれ
・広東省広州・佛山などの各都市では、巻くものもあれば、巻かずにヒダを寄せたものもある
・広東省潮汕地域(潮州・汕頭・掲陽)では、オムライス型でボリューミー。たれに地域性あり

とまとめることはできそうです。

腸粉の発祥は、唐代の瀧州(現在の広東省羅定市)にあるといわれています。中国南方に旅に出ることがあれば、ぜひローカル腸粉の世界を楽しんでみてくださいね。


TEXT&PHOTO サトタカ(佐藤貴子)

古樹軒EC|香港風海老の腸粉