ぷるんと滑らかな生地で、小エビや叉焼をくるりと巻いた腸粉(ちょうふん|チョンファン|Cheong fan ※広東語読み|cháng fěn ※中国語読み)。きっと、「飲茶といえばこれは外せない」という方も多いのではないでしょうか。
そんな腸粉は、主に広東料理文化圏で楽しまれている中華圏南方の点心。ユニークな名前の由来は、豚の腸に似た形ということから名づけられた説が有力です。
しかし、中国で腸粉を食べ歩くと“くるりと巻いた”ものに限らず、さまざまな形と作り方が見られます。地域によってどんな腸粉があるのか、中国南方をを南から東にかけて見ていきましょう。
中国最南端!海南省|大きな生地に具がたっぷり。1皿で腹パンの卵入り腸粉

まずは”中国のハワイ”でおなじみの海南島は海南省の腸粉です。1988年まで広東省に属し、食文化にも広東料理の影響がみられるこの地域は、老爸茶(ラオバーチャ)と呼ばれる飲茶の習慣が根付いています。

広東省と同じく、ここでも腸粉は朝ごはんの定番。とはいえ、広東省広州市や香港の茶楼と比べると価格は安く、生地は二回りほど大きく、具をたっぷり巻き込んでいて大らかな雰囲気。注文時、卵を追加するのも人気です。
海南省についてもっと知る>中国全省食巡り6|中国のハワイ・海南島で南方の食を満喫!海口市で食べるべき料理3選
美食の都!広東省佛山市順徳|名料理人を輩出したエリアの“技あり”腸粉
広東省佛山市順徳で、海苔を混ぜた生地で豚肉と筍を巻いた、ひとひねりある腸粉を発見。肉は片栗粉をもみ込んで下処理されており、舌触りが滑らかです。
順徳は「食材広州 厨出鳳城(食は広州にあり、料理人は順徳から出ずる)」といわれ、名料理人を多く輩出している地域。職人の仕事を感じる一皿と出会えました。
順徳についてもっと知る>広東料理マニアックスVol.1 順徳料理とは?
世界遺産の街。澳門(マカオ)旧市街|昔の香港を彷彿とさせる、オールドスタイル茶楼の腸粉

香港や広東省の珠海からアクセスのよい澳門(マカオ)。ここは日本でもよく見る、くるりと巻いた腸粉が楽しめる地域です。写真は朝食にオーダーした、海老腸粉と粥の組み合わせ。見るからにとぅるっとぅるの皮がそそります。
澳門はカジノのイメージもありますが、世界遺産の点在する旧市街の茶館は、昔の香港のような佇まい。まるで映画に出てきそうな雰囲気で、注文票ひとつとっても味わいがあります。

飲茶天国・香港|半透明の生地でくるりと巻いた腸粉は、日本人が抱くイメージそのもの

多くの日本人がイメージしている腸粉は、香港で食べるこちらの腸粉。つまり、うっすら半透明の生地で具を巻き、ピーナッツ油の効いたあまじょっぱいタレをかけて食べる腸粉です。
定番の具は新鮮な小エビ、叉焼、牛肉など。キクラゲや黄ニラなどの野菜を取り合わせた精進系をおいている店もあります。
広東省汕頭市澄海|豚ひき肉とたれが決め手!オムライススタイルの潮汕式腸粉

広東省の中でも東側、福建省寄りに位置する潮汕地域(潮州・汕頭・掲陽)は、広東省の他の地域とは一線を画す、独自の食文化を持つエリアです。
この地域の腸粉は基本的にオムライススタイル。モヤシやニラなどたっぷりの具を、軟らかな米粉の生地で覆うようにして仕上げており、くるりと巻いた腸粉とはまったく異なるビジュアルです。
さらに、上にかけるたれがエリアや店によって異なるのもユニーク。大別すると、潮州はピーナッツベースのソース、汕頭中心部は刻んだ切り干し大根とタレがかかり、汕頭北部の澄海(写真)は豚ひき肉という塩梅。海南省と同じく、具に卵を加えるのも人気です。
ここでも腸粉は朝ごはんの定番。米粉(こめこ)の生地、野菜、卵が入ればこの一皿で栄養バランスがとれますね。
福建省漳州|四角い生地にとりどりの具。畳んで作るおかず系腸粉

福建省の西部に位置し、広東省潮汕地域と接する漳州(しょうしゅう)は、美食の街として知られる地域で、さまざまな小吃(軽食)が楽しめます。ここでは専用機に生地を流し、四角く蒸し上がった生地を4等分して、最大4種類の具が楽しめる腸粉が見られました。

生地はやや硬めで、具は巻くのではなく包装紙で包むようにまとめます。たれは福建が誇る永春香醋(黒酢)、大蒜ベースの調味料、辣椒醤(唐辛子ペースト)、醤油を好きなようにかけて食べるスタイル。ガツンとパンチのある味付けで、おかずにもなる味です。

具は豚ひき肉、椎茸と卵、ハム、トウモロコシ、海老、イカ、全部入り、さらに追加料金で具の大盛りもOK。小と大が選べるなど、お客さんの希望に合わせてカスタマイズできるのも魅力ですね。

洗練の上海(番外編)|押し寄せてヒダを作り、生地のおいしさを味わう腸粉

広東省編としてご紹介できなかったのですが、四角い生地を端からぎゅーっとヒダを寄せてまとめた、巻かないタイプも広東省でみる腸粉のひとつです。
写真は上海「新栄記」南京西路店の一皿。中国で最もミシュランの星を持つレストランブランドで、浙江省台州の郷土料理と広東料理を提供しています。
ヒダ寄せタイプは雑に見えるものもありますが、こちらはシンプルで繊細で美しく、見ただけで高級店のものだとわかりますね。
技巧派の東京(番外編)|ぷるぷる×サクぷり!海老と油条を巻いたごちそう腸粉

油条を巻いた腸粉も広東省で見られますが、ここまで技巧的なものはレア。食感のよい中太の海老と、クリスピーな油条(揚げパンの一種)、キクラゲを米粉(こめこ)の生地でぐるりと巻いた腸粉です。
ぷるぷるの腸粉、サクサクの油条、ぷりぷりの海老、コリコリのキクラゲという食感の四重奏。東京・丸の内の「YAUMAY」を代表する点心のひとつです。
さて、腸粉のバリエーションがわかったところで、次のページでは腸粉の原料と作り方をご紹介しましょう。
NEXT>もっと知りたい!腸粉の原料と作り方








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