猛暑に涼を呼ぶかき氷。台湾ではマンゴーやフルーツたっぷりのかき氷が旅行者に人気ですが、今注目したいのは、昔ながらのかき氷やアイスクリームです。

その理由は、日本のかき氷とは、ひと味違う美味しさがあるから。うだるような暑さをひととき忘れる、涼やかな話題をお届けします。

日本から伝わり、独自の進化を遂げた台湾の氷菓子文化

台湾でかき氷を食べると、旅行者として率直に思うことがあります。それは「量が多く、お腹にたまるなぁ」ということ。

豆花、豆、芋、団子などがどーんと入っているものが多く、ボリューミー。芋や豆を食べるには、加熱調理が必須で、ひと手間かけた具が多いのも特徴ですが、いったいなぜなのでしょうか。

その背景に見えるのは、日本統治時代(1895〜1945年)の台湾です。実は、製氷技術や氷削機が日本から台湾に導入されたのはこの時代のこと。従来温かいものとして親しまれていた豆花やお汁粉が、冷やして提供されるようになったのです。

例えば、1935年、桃園市龍潭に創業した「松屋氷果店」は、この時代に開業した氷菓子店のひとつ。パイナップルタロイモ、ピーナッツ、酸梅、小豆、緑豆など、台湾らしい素材を使ったアイスクリームは、今もなお地元の方々に楽しまれています。

日本統治時代の1935年、桃園市龍潭に創業したアイスクリーム店「松屋氷果店」。現在も営業している
桃園市龍潭「松屋氷果店」のアイスクリーム。写真右はパイナップル、タロイモ、ピーナッツ。いずれも甘すぎず自然な味。左は酸梅、小豆、緑豆。甘酸っぱい梅がとんでもなく美味しい!

また、伝染病の感染予防という観点から、一度加熱したものを食べるよう推奨されていたことや、お腹を満たせるものが歓迎されたという時代背景もあるようです。

シャリシャリ・ふわとろ・さらふわ。台湾かき氷、3つの誘惑

こうして独自の発展を遂げた台湾のかき氷は、現在3つのタイプに分けられます。

刨冰(パオビン|pào bīng)

まず、最もシンプルなのが、粗めの氷をたっぷり使った刨冰(パオビン|pào bīng)。例えば、豆や芋などの上に粗めの氷をたっぷり乗せた伝統的なものや、フルーツと組み合わせたものがあります。

台北「氷山五角」の綜合冰。芋圓、愛玉子、仙草ゼリー、緑豆のトッピングを4つ乗せた、伝統的なスタイルのかき氷
台北 「三六食粑」の古早味鹼粽冰。台湾粽の記事で紹介した、モチモチ食感の鹼粽(左上の黄色っぽいもの)と団子がかき氷の上にたっぷり
台北「氷山五角」の氷山麺茶冰。「吸い込まないように注意して」と言われた麺茶かき氷。小麦粉やゴマ、ピーナッツなどを粉にして炒ったものが麺茶です
台北「楊記花生玉米冰」のとうもろこしのかき氷 photo by浅草豆花大王
台北「黒岩黒砂糖刨冰」の黒砂糖刨冰。氷の下にトッピングが隠れており…(下の画像へ続く)
たっぷりのった氷を食べると、中から多彩なトッピングがどどん(選べます)。蜜鳳梨(パイナップル砂糖煮)なども入っています
雪花氷(シュエフゥァビン|xuě huā bīng)

次に、氷自体に味を付けてから、フワフワの食感に削った雪花氷(シュエフゥァビン|xuě huā bīng)が挙げられます。氷そのものがミルキーな味になっているものが定番で、日本でもおなじみですね。

台北「于記杏仁豆腐」の杏仁豆腐冰
台南「玉井有間氷舗芒果氷」の芒果無雙。情人果(青マンゴーの砂糖漬け:写真左上)も入っています。photo by ゆっきー
台北「春美氷菓室」の芒果雪花冰 photo by Takako Sato
台北「一支麥冰品店」の牛奶冰+綜合水果+冰淇淋(左)、花生冰+蛋捲+冰淇淋(右)
泡泡氷(パオパオビン|pào pào bīng)

最後に、氷、シロップ、ジャム、練乳などをミキサーで混ぜてシャーベット状にする泡泡氷(パオパオビン|pào pào bīng)があります。

台北「老地方泡泡冰」の花生泡泡冰。落花生の香ばしい風味がやみつきに

思えば、ほかの中華圏ではこれほどかき氷のバリエーションがないように感じますが、いかがでしょうか?

アイスクリームやアイスキャンディーも台湾風味

かき氷だけでなく、アイスクリームも台湾らしい素材が楽しめます。例えば、タロイモ、梅、落花生、台湾茶など。こちらはかき氷より気軽に食べられる量なのもいいですね。

また、ほんのちょっとだけ冷たいものを…という場合は、コンビニで買えるアイスにも台湾らしいものがあります。

おすすめは、青マンゴーの砂糖漬けを使った「情人果脆冰」や「紅豆粉粿」。台湾の友人から勧められて食べてみたら、意外と美味しくてびっくりしました。粉粿(フングイ:弾力のあるQQ食感のわらび餅的なもの)って、アイスキャンディーにも入れるんだ!という発見もありました。

情人果脆冰。サクサクのアイスキャンディーです
紅豆粉粿

また、私はまだ食べたことがないのですが、有名ブランドのピーナッツバターを使った「新竹福源花生醬」のカップアイスが美味しいそう。台湾に行ったら、コンビニやスーパーマーケットでぜひ探してみてください。

次のページでは、首都圏で食べられる台湾式のかき氷を紹介します。

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