中華系人気店の羊肉料理が目白押し!羊と酒と芸術に500人を酔わせた「羊フェスタ2014」とは…?

人気店の羊肉料理が目白押し!
羊フェスタ2014

人気の中国料理店&モンゴル料理店が一同に集結し、羊肉料理&酒&文化芸術を楽しむ「羊フェスタ2014」。80C(ハオチー)&サイトオーナーの中華・高橋も協賛した“1日限りの羊の祭典”が11月2日、アーツ千代田3331で行われました。

同イベントは、80Cが以前より注目している羊齧協会(ひつじかじりきょうかい)の主催。彼らを初取材した2013年6月1日時点では、協会Facebookのいいね!は150人ほどでしたが、今やその数1415人超(2014年11月12日現在)。「最近羊がじわじわきている」と思ったあなた。実は羊齧協会はこの1年半で着々と勢力を拡大していたのです。

そんな協会が主催する当イベントですが、500人分のチケットが完売。さすが協会員の機動力はすごい…!と思いきや、参加者のうち協会員は約3割といいます。では、他にはいったいどんな人が…?


●参加者は? ●料理は? ●酒は? ●羊名人とは? ●出しものは?

「羊が、好きだー!」で神田に集結

ということで、会場で気になる来場動機を非協会員にうかがってみると、インタビューした全員が「羊が好きだから」という直球な回答!我々が知らなかっただけで、羊に関心を持っている人はこんなにいたんですね。

高校の同級生つながりで来場したみなさん。「羊、愛してます。今日狙ってきたのはチャンサンマハ(骨付き羊肉の塩ゆで)。今日出店している「味坊」も「黒猫夜」もよく行きます」

オリンパス株式会社 技術開発センター(八王子)勤務のみなさん。「イベント情報はネットのニュースで知りました。羊といえばジンギスカン。こういうジャンルの料理はあまり食べるところがないので、思う存分食べたいです!」

中国・西安に留学経験がある羊好き女子(右側の方)。「羊が好きで、食べたtweetをしていたら、協会に発見され、フォローされました(笑)。好物は羊肉串と手把羊肉(ショウバーヤンロウ:手づかみで食べる羊肉)、ウイグル語で『ポロ』と呼ばれる米と羊の料理です」

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めくるめく羊齧タイム

料理を提供したのは「味坊」「黒猫夜」「シリンゴル」「中国茶房エイト」(五十音順)の4店舗。さらにこの日は、アーツ千代田3331に併設されたカフェ「FoodLab」でも限定で羊肉料理を提供。それぞれに個性の違いが際立つ料理がずらりと出揃いました。

味坊(神田)

神田ガード下にある中国東北料理の大繁盛店。自然派ワインと羊肉料理が人気で、定番は羊肉串、羊肉のクミン炒め、羊肉餅。冬は羊肉をしゃぶしゃぶする火鍋もあります。

羊のうま煮
味坊の老板(オーナー)・梁さんの故郷であるチチハルでよく食べられていた煮物を再現。塊の羊肉、大根、人参がごろごろっと。お酒もごはんもどっちもいける味!

羊肉餃子
麦酒、紹興酒、白酒…何でもござれの肉肉しい大ぶりの焼き餃子。瓶から直接黒酢をかけてワイルドにいただきます。

老虎菜(ラオフーツァイ)
香菜、ネギ、きゅうり、青唐辛子の入ったピリ辛サラダ。代表的な中国東北料理で、羊料理の箸休めにぴったり。

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黒猫夜(銀座、赤坂、六本木)

中国各地の郷土料理が食べられる店。いわゆる“定番中華”ではない、羊や山羊、鴨舌、鴨血、すっぽんなどの料理が勢ぞろい。独自に輸入する中国酒も豊富で“きき老酒”もできます。

ウイグル風ホットドッグ 羊ソーセージ入り
銀座店の水岡料理長がウイグル放浪中に出会った料理を再現。

腸詰は羊肉に雑穀を加え、ガラムマサラやクミンなどのスパイスで調味。饅頭風のパンにはさみ、チリ&芥子をベースにした2種類の特製ソースをかけてパクリ。

 

羊ハツの烏龍茶葉スモーク
癖の少ないハツをウーロン茶でスモークに。香辛料が効いており、白酒との相性は抜群!

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シリンゴル(千石)

モンゴル料理といえばここ。毎週約3頭分の羊を仕入れ、店で解体しているため、羊肉の様々な部位が楽しめます。中でもチャンサンマハ(骨付き羊肉の塩ゆで)は必食。料理長が演奏する馬頭琴にも酔えます。

チャンサンマハ(骨付き羊肉の塩ゆで)
これぞモンゴル!骨付き羊肉の塩ゆでです。にんにく醤油に、紹興酒・ごま油などを入れた特製タレにつけ、そのまま齧ってもよし、ナイフで肉を削いでもよし。この日最も早く売り切れた料理でした。

 

棒棒マトン
羊のモモ肉に棒棒鶏(バンバンジー)のソースをかけた冷菜。百貨店のイベントで大好評だったことからここで再登場。甘酸っぱい風味が羊肉によく合います。

 

ボルツク
羊の油で揚げたドーナツ。ほんのり甘く素朴な味ながら、鼻先をかすめる香りは羊…!そのギャップがたまりません。

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中国茶房エイト六本木店

365日24時間営業で、いつでも羊補給できる中国調理店。1羽3980円の北京ダックも人気ながら、羊肉ファンには「羊の丸焼き」を提供していることで有名です。

 

 

 

烤全羊(羊の丸焼き)
お昼と夕方の限定販売で、事前に整理券も出た注目の料理。羊の丸焼きを削ぎ、きゅうり、ネギ、甜麺醤とともに薄餅に巻いて北京ダック風にサーブ。添えてあるのは羊スペアリブのスパイシー焼きです。

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FoodLab

アーツ千代田3331に併設されるカフェでは、60食限定で羊肉カレーを提供。13時からの販売で、行列のち完売!


羊肉カレーを手にした幸運なお2人。

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秘蔵の特別酒もじゃんじゃん出ます

気になるお酒はビールやソフトドリンクはもちろんのこと、料理が料理だけに中国酒が充実。人気があったのは「三国演義」10年物の甕出し紹興酒です。


「味坊」の老板(オーナー)梁さん。似合い過ぎます。

さらに特別酒タイムには「黒猫夜」オーナー秘蔵の白酒(バイジュウ)が登場!これを見て「バイジュウ?なにそれ」と言う方もいれば、「このお酒がまさか日本で飲めるなんてぇぇぇ!!」と叫び出す方も。初体験派も、再会派も、それぞれに感動があったようです。(※白酒=中国の蒸留酒。アルコール度数は38~53℃ほどで無色透明、強い芳香が特徴。香りと味の種類によって香型が分けられている)


胃袋のような形の瓶に入った「馬奶酒」。馬のミルクを醸造したお酒で、後味にほんのりあまい乳の味がします。

 

 

 

 

 

(写真左)白酒の名酒として知られる、江西省の「四特酒」。「茅苔」や「五粮液」に並び、国賓の宴会にも用いられる高級酒。(中)チベットの白酒、藏泉ブランドの「青稞原浆酒」。(右)湖北省の白酒「稲花香」。名前の通り、稲の花の香りが特徴です。

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家でも羊齧!「羊名人」が登場

また、80C(ハオチー)からは協賛として、外だけでなく「家でも羊齧!」をキャッチフレーズに中華系羊肉調理スパイス塩「羊名人(ようメー人)」を特別企画させていただくことに。
味の監修には麻布十番「老四川 飄香」の井桁良樹オーナーシェフを迎え、中華・高橋のC’s kitchen(シーズキッチン)で制作を行いました。

こちらはモンゴルの塩に2種唐辛子、クミンや花椒、ガーリック、十三香などをブレンドしており、深煎りするスパイスは深煎りし、挽くものは挽いて、赤く美しい色ながら辛さに走らず、すっきりとした後味に着地させた一品。
事前の情報を見て「売り切れるといけないと思って!」と売り場にまっしぐらに来てくださった方も多く、限定100袋はおかげさまで完売!

羊名人を手にした方へ:どの食材と組み合わせる?使い方はこちらでどうぞ!

 

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芸術の秋!出しものも充実

さらにこのイベント、芸術の秋にふさわしく“出しもの”も充実していました。注目を集めたのは、現代美術家によるパフォーマンス「羊のさんぽ」。


子どもも釘付け!

そして羊齧協会員による琵琶の演奏、モンゴル料理店「シリンゴル」の料理長による馬頭琴の演奏、中にはモンゴル衣装の体験コーナーも!

こうして500名余りの羊好きが集い、日がな羊を齧り、酒を酌み交わし、盛況のうちに幕を閉じた「羊フェスタ2014」。

イベント終了後、主催する羊齧協会の菊池一弘主席(写真)に率直な感想をうかがうと、「何より驚いたのが『羊好き人口』の多さですね。協会としてもここまで羊好きがたくさんいるとは予想だにしておらず、『仲間がこんなにいる!』と非常にうれしい限りです」と、実に感慨深い様子でした。

また、羊に対するモチベーションの高い人が集まった&人気店が集結したこともあり、「提供した料理の95%が皆の胃袋に収まった」というのも素晴らしいこと。ちなみに「シリンゴル」では羊4頭分、「中国茶房エイト」では2度丸焼きを提供していることを思うと、いったい500人でどれだけ羊を食べつくしたのか…。

「ぜひまた開催を!」と早くも来年に対する期待の声も集まる中、年末(12月17日)には協会監修、本邦初の羊齧レストランガイド『東京ラムストーリー』が実業之日本社から発売が予定されているという羊齧協会。奇しくも来年は羊年、ますます目が離せなくなりそうです。

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Text & Photo:佐藤貴子/ことばデザイン