キャベツをシャキッと、香り高く仕上げるコツ
ホイコウロウと言えば、麻婆豆腐やエビチリに匹敵する知名度とともに、作りやすさ、ごはんのおかずとしての相性のよさもあり、家庭の食卓でもなじみのある中国料理ですよね。
なんといっても、リーズナブルなキャベツや豚肉で作れるという手軽さがこの料理の魅力。しかし、作っているうちにキャベツから水分が出て、ベチョッとした食感になってしまうことはありませんか?
実はもともとこの料理は、中国語で「回鍋肉」と書くように、一度加熱した食材(肉)を、再び鍋に戻して(=回鍋)調理するものです。本来は、塊でゆでた皮付きの豚肉をスライスし、煎り焼きにして取り出し、辛味や塩気を加えてくれる豆板醤、ふくよかな甘さを出してくれる 酒醸 、肉の臭みを消し、香りを加えるにんにくなどを油で炒め、それらの香りが立って来たら、さきほどの豚肉、そして油通しまたは湯通ししたキャベツなどの野菜を加え、最後に甜麺醤、スープ、醤油などで味付けするというステップを踏みます。
肉や野菜にいったん火を通しておき、鍋の中ではサッと煽るにとどめれば、食材内の水分が保てて、いい食感を保てます。また、葉野菜は調味料と一緒に火を通すと、葉色が茶色っぽくなってしまうため、炒め工程を短時間にすることは、料理の色彩もよくしてくれるんですね。
ちなみに、本場四川省のホイコウロウは、豚バラ肉と葉にんにくを甜麺醤で炒めた料理。しかし、陳建民氏が日本で作ろうとした当時は、葉にんにくも甜麺醤も手に入らなかったことから、葉にんにくはキャベツに、甜麺醤は、八丁味噌に置き換えて作られました。また、同氏が日本に伝えたホイコウロウには、大好物だった厚揚げも入っていたそう。食材同士の相性もいいので、たまには元祖日式ホイコウロウに想いを馳せて、厚揚げ入りを作ってみてはいかがでしょう。
料理:菰田 欣也(スーツァンレストラン陳)
撮影:2010年5月 古樹軒の料理教室にて
中国語料理名:回锅肉(huí guō ròu / フゥェイ グゥォ ロウ)

Text 長谷川亜紀
photo 西田伸夫








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