一日三度の食事の中でも、圧倒的に外食率が高まるランチ。その一食に中華料理への愛を託し、お昼に食べた中華を語るという、80C(ハオチー)のFacebookランチレポートが「ひる中華」です。
そこで頂戴した「いいね!」とコメント、シェア、リーチ数をポイントに換算にして、2月17日~3月14日に掲載したひる中華ベスト8を算出したのが当コーナー。さて、いつも応援してくださっている中華のプロや食いしん坊の皆様が「いいね!」と思ったランチとは…?
広島市「広島国際ホテル 中華海鮮薬膳 東風(トンフォン)」の
ふかひれたっぷり天津飯1000円 577ポイント
ゼラチン質たっぷりのふかひれ入り!お値打ちごちそう天津飯
8位はお値打ち!金糸がほぐれたタイプのふかひれ“上海式散翅RG”と、ズワイガニ、こだわり卵で作ったぜいたく天津飯がランクイン。
上海式散翅RG(しゃんはいしきさんつー レギュラーグレード)とは、中華・高橋で販売しているふかひれの商品名で、数種類の鮫のヒレをブレンドし、ゼラチン質を多めに残して作られた、食感豊かな“ほぐしふかひれ”のこと。
白濁したゆるめの餡にレンゲを入れれば、鮮やかな黄色の卵がぷるりんと登場。昭和の中華を贅沢な具でアレンジした一品でした。
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銀座6丁目「CHINESE CUISINE SON」のAセット(エビチリ) 1400円 589ポイント
ニンニク×トマトのインパクト!イタリアン風エビチリ
7位はイタリアントマトとニンニクをたっぷり使い、ドライバジルを散らしたトマトマしいソースのエビチリがランクイン。お値段はやや高めですが、炸蝦多士(エビパン揚げ ※多士はトーストのこと)、焼売、サラダ、スープ、ごはんに加えて、食後にホットコーヒーがサービスされるので、場所を変えずにゆっくりできます。
同店は横浜中華街・四五六菜館の孫関義シェフが昨年11月にオープン。ランチはセットが1400円~、あんかけ飯が1000円~。店内はガラス&鏡を多用したスタイリッシュなラウンジ風で、なんと朝4時まで営業!ワインは4800円均一とのことで、夜はまた違った雰囲気を楽しめそうです。
新大塚「たない粥」の今週の粥セット(鶏だんごと青菜の粥)800円 656ポイント
日中ミクスチャー感あふれる中華粥セット
6位は彩りのいい中華粥セットがランクイン。ちょっと変わった店名のこちらは、台湾中国茶をメインに取り扱う、華原国際貿易に隣接されたお粥+麺の店。一見さんはちょっと躊躇する外観かもしれませんが、入ってしまうと誰かの家にお邪魔したような、日本ではないような、独特の異空間が広がっています。
粥は鶏スープと少しばかり卵白を混ぜたふわっとした質感で、たっぷりとしたラーメンどんぶりになみなみとよそわれて登場。セットはサラダ、おしんこ、水餃子またはデザートがついて700~800円。単品での注文やテイクアウトは530円~となかなかリーズナブル。
食中は冷茶、食後は自社の温かいブレンド茶がサービスされるのはお茶屋さんらしいところ。ふと斜め上を見上げると、「百味人生」と書いてある陳建太郎さんの色紙がいい味を出していました。
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銀座1丁目「JOE’S SHANGHAI 銀座店」のJOE’S麻辣担々麺セット 1200円 663ポイント
名物小籠包以上に“強い店のオーラ”に酔う
5位は、ニューヨークに本店を構え、小籠包で世界的に有名になった「JOE’S SHANGHAI」の銀座店より、小籠包×麻辣担々麺のランチセットがランクイン。ですが、ここは小籠包だけではありません。入店してから出るまで、この店の世界観を全身で体感できる、劇場のような面白さが!
ウェイティングルームはアジアの小奇麗で洒落たホテルのラウンジのようで、案内されるフロアはガラッと変わって開放感のある高天井。一段高くなった所に清潔感のある調理場を望み、若いサービススタッフは見ていて気持ちいいほどキビキビとして、表情も引き締まっていて…。
どこを切り取っても絵になり、料理もすべてひっくるめてプロのフードサービス。こういう中国料理店は、ありそうでないものです。
Joe’s tantan(麻辣担々麺)
もちろん名物の小籠包は納得の味。iPhoneの横幅ほどある小籠包は、レンゲで受け止められないほど肉汁が充満。溢れた汁をさらに受け止める小皿まであって、食べるための小道具も完璧。大きいけれど、たった2個しかないところが飢餓感を高めます。 聞けば、ランチは月曜をのぞいて常に満席、半分は予約客だそう。12時前に行っても5、6組は待っていましたね。店の魅力は皿の上だけに非ず。強い店のオーラを体感したひる中華でした。
銀座7丁目「GINZA芳園」の煲仔飯(ボウチャイファン)ランチ 780円 711ポイント
ありそうでない排骨煲仔飯を銀座でお値打ちに楽しむ
4位は、1月24日にオープンした「GINZA芳園」の煲仔飯(ボウチャイファン)ランチがランクイン。煲仔飯とは香港風土鍋飯で、腸詰や中華風ハンバーグなど、脂質多めのたんぱく源×ごはんが定番の組み合わせになっています。
こちらはジューシーな豚の排骨(スペアリブ)を乗せたごはんに、青菜炒め サラダ、大根の漬物、卵スープ、ポットサービスのジャスミン茶がセット。熱々の器に盛ったごはんが所々香ばしく焼け、どこか石焼ビビンパのような風情ですが、排骨の味付けもよく、銀座でこの価格、ラグジュアリーな雰囲気を考えるとかなりお値打ち!
シェフの横尾氏は広東式の焼物を得意としているそうで、厨房には焼き窯を完備。夜は正統派広東料理店としており、昼とは違った味覚が楽しめます。
※当日の黒板メニュー掲示は“堡仔飯”となっていましたが、正しくは煲仔飯ですのでここでは訂正いたします。
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西池袋「東方紅(とうほうこう)」の鉄板魷魚780円
727ポイント
文革レストランで注文時から中国滞在気分を満喫
3位は、文化大革命&毛沢東をフィーチャーした中国料理店の曜日替わりランチがランクイン。こちらのランチは曜日替わりで10品から選ぶ仕組み。グランドメニューは『毛主席語録』を模した立派な体裁なのに対して、ランチメニューはコピー用紙をホッチキス留めという軽さ。そのほとんどが中国語表記なので、まず四字熟語のテストで中国語力が試されます。
オーダーしたのは「鉄板魷魚(イカの鉄板焼き)」ですが、味は「孜然魷魚(イカのクミン炒め)」で、クミン独特のすっきりとした風味が、醤油味に慣れた日本人の口には新鮮。また、中華のイカ料理というと、皮をむいて花切りになったものも少なくない中、このワイルドなカットは家庭料理や居酒屋料理に通じるところもあります。
会計時、紅衛兵コスプレの小姐が10枚綴り5000円のランチ回数券を「安いネー」と勧めてくれましたが、780円が500円になるのは確かに安い。お近くの方はオトクですね。
銀座7丁目「黒猫夜 銀座店」の水煮羊肉飯(羊スジ肉四川風辛煮) 890円 808ポイント
むちむち羊肉×クミン&薬味がのった土着系土鍋ごはん
2位は人気中国料理店「黒猫夜」の銀座店の土鍋ごはんランチがランクイン。クミンでスパイシーに調味された羊肉をジャスミンライスの上に乗せ、ジュウーッと音を立てて供される熱々の一品です。薬味とクミンの清涼感溢れる味わいはくせになる味。また、土着的な風味もこの店の料理の魅力ですね。
ランチ開始時は赤坂店同様、土鍋メニューの一品勝負でしたが、この時は二品から好きな方を選べるように進化。さらにこの後、週替わりで三品から選べるようになったそう。偶然ですが「GINZA芳園」と同じ第2新橋会館にあるので、銀座のひる中華スポットとしてぜひ押さえておきたいところです。
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池尻大橋「喜臨軒」のランチセット(ハムユイ炒飯)1000円
820ポイント
語ること満載!1000円札で広東料理に溺れまくり
今月の1位は、これまでありそうでなかった鹹魚(ハムユイ)を使った炒飯のランチでした!
「鶏とレタス、カシューナッツの“中華アンチョビ”炒飯」と名づけられたこちらの炒飯は、鹹魚(ハムユイ=中国式塩漬け発酵乾燥魚)で塩気と風味を加え、カシューナッツで食感豊かに仕上げた一品。さらに一品料理はポルトガルソースを使った野菜のグラタンマカオ風、スープは大根・蓮根・棗の蒸しスープと、中国料理好きならどこまでも語れそうな料理ラインナップです。
聞けば、シェフの安澤さんは、横浜スカイビルにあった金臨門粤菜酒家に長くいらした方。当時は厨房スタッフのほとんどが香港人という環境だったそうで、なるほど広東料理の腕をそこで磨かれたのだなと納得。また、支配人は小学校時代からの同級生だそうで、息のあったコンビネーションでいい雰囲気を醸し出しています。
ランチは7種類の麺飯、3種類の料理orデザートから選べますが、デザートを+200円で追加もOK。座れるなら迷い泣く厨房かぶりつきのカウンター席へ行きましょう。厨房かぶりつきで、臨場感溢れる調理場を見ながらひる中華が満喫できます。
さて、今回のひる中華ランキングはいかがでしたか?編集部が気になったのは、「GINZA芳園」と「喜臨軒」より広東料理2点がランクインしていること。昨今は焼きものを提供する店も増えてきており、それに伴い肉食系中華も増えていると感じます。
また、銀座の店が2店舗あるのも業界的には要注目。中小規模の新規出店が増えている銀座は、中華好きが今最も見逃せないエリアのひとつになってきていますよ。では、来月のひる中華もどうか御愛読を!
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「ひる中華」は、80Cスタッフがランチに食べた中華料理を、Facebookで連日レポートしています。おひる前のお腹が空きそうな時間に更新していますので、中華画像を見ながら、食べたい中華・好みの中華を見つけていただけたら幸いです。みなさまも、どうかお近くにある気になる中華料理店のランチがあったら、ぜひ編集部までお寄せくださいね。
ポイントの算出方法
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Photo & Reserch 小杉勉、佐藤貴子(ことばデザイン)
Text 佐藤貴子(ことばデザイン)