昨今、中国のローカルな麺が食べられる店が増えています。
いち早く広まったのは、生地の塊から麺を削り出す山西省の刀削麺。専門店でなくても、身近な中国料理店で食べられるところが増えましたね。
昨年2017年には、甘粛省発祥・蘭州拉麺の超有名店「馬子禄(マーズルー)」がオープンして以来、蘭州拉麺を出す店が続々誕生。
さらに2018年になると、中国で最も画数の多い漢字を使った、陝西省のビャンビャン麺を提供する店も見かけるようになりました。
中国五大麺のひとつ、熱干麺(ねっかんめん/ルゥァガンミィェン)
そんな中国ローカル麺の存在感が日に日に増していく東京で、湖北省武漢名物・熱干麺(ルゥァガンミィェン)が食べられる店「珞珈壹号(かっかいちごう)」が10月1日にオープンしました。
熱干麺は中国五大麺(※)のひとつ。それが銀座のど真ん中で食べられるというのですから驚きです。
※中国五大麺=山西省の刀削麺、河南省の烩麺(フゥイミィェン)、四川省の担担麺、北京市の炸醤麺、そして湖北省の熱干麺 ※調査母体によっては違う結果もあります。
日本ではあまり知名度のない湖北省ですが、省都・武漢は成田から春秋航空の直行便がある都市。
観光では、重慶市の朝天門からスタートする船旅「長江三峡ダム下り」の終点となるのが、武漢およびその周辺です。三国志好きなら「赤壁の戦い」を思い出すかもしれませんね。
そんな湖北省の省都・武漢で、朝食やおやつに親しまれているのが熱干麺という名の和え麺。
ここではスパゲティほどの太麺に、黒ごまペーストを使った和えだれ、粗目に刻んだ肉で作られた雑醤(肉味噌)、ササゲの漬物、ゆでにんじん、砕きピーナッツ、小ねぎ、香菜をあしらっています。
風味の決め手は黒ごまペースト。食べる前に麺とタレをしっかりと混ぜ、すべてが一体となれば準備完了。
口にするや、ゴマのコクがぐいぐい引っ張ってくれるこのお味、日本式の胡麻味噌タイプの担々麺がお好きな方なら、きっと気に入るんじゃないでしょうか。
麺はアルデンテとは程遠い軟らかな太麺ですが、それもまた味わいのひとつ。中国の涼麺(熱くも冷たくもない、冷めた麺)のように、冷めてもいける感じです。ただし、口の中の水分を早々全部持って行かれますので、水分補給はお忘れなく。
日本ではここだけ!? グランドメニューに湖北名物がずらり
また、銀座まで来て熱干麺だけでは帰れない!という方は、メニューの「スペシャル料理」と「シェフのおすすめ」から湖北料理をチョイスしましょう。
ランチメニューは日本で親しまれている中華料理が中心ですが、お願いすればランチタイムでも注文できましたよ。
なかでも熱干麺に次ぐ定番の小吃といえば老通城豆皮(ドウピー)。日本語表記は「武漢おこわオムライス」とありますが、おこわの湯葉サンドですね。
こちらは煎り焼きにした湯葉のクリスピーさと、おこわのもっちりとした食感のコントラストが絶妙。熱干麺同様、ツマミとして楽しめる炭水化物です。
円卓個室が2つも!フロア席のデザインが斬新
続いて店内もご紹介しちゃいましょう。フロアは天井から下がる緑の布のランプシェードや、鳥かごを割ったようなハイバックの椅子が印象的。
円卓のある個室は2つあり、繋げると16名前後の宴会もできます。
同店は銀座や六本木で中国料理店を展開する御膳房グループのひとつで、オーナーさんは湖北省武漢出身。入口には「日本湖北楚商会館」の看板も掲げており、まさに肝入りの店舗といえます。これを機に、銀座で本場の味を味わってみてはいかがでしょう。
珞珈壹号 住所:東京都中央区銀座5-8-9 BINO銀座 4F(地図) アクセス:東京メトロ 銀座線 銀座駅徒歩2分 日比谷線 銀座駅 徒歩3分 電話:03-6263-8858 営業時間:ランチ11:00~15:00(14:30L.O.) ディナー17:00~23:00(22:00L.O.ドリンク22:30L.O) 無休 |
text & photo 佐藤貴子(サトタカ)