第183回「わかば食堂」(2018.7.25)
「わかば食堂」第183回一日料理長の髙𣘺佑介さん(中華香彩 JASMINE 広尾本店/32歳・料理人歴9年/静岡県熱海市出身)は、「そろそろ独立?」と思わせるほどの貫録を漂わせていました。
薬膳アドバイザーの資格をもち、「自分ならではの特色を出したい」と薬膳を熱心に勉強しています。お客さんに向けては「(自分の料理につき)感じたことを教えてください」と、その謙虚な姿勢が好感度高し。本日のメニューも、前菜からデザートまで薬膳をテーマに組み立てられていました。
メインディッシュAの穴子炒飯は、穴子をまず揚げることで栄養を吸収しやすくしているそうで、「夏の疲れをとる、今のための薬膳」。
一方、Bのきのこと鶏肉の炒めは「秋に向けて肌の乾燥を予防する白マイタケを取り入れた未病の薬膳」。料理には五味(酸、苦、甘、辛、鹹)すべてを備えるという考え方に沿って、素材を選んでいるのもこだわりの現れです。
面白い演出もありました。スープに添えられて出てきた「薬膳ボール」です。あおさのり、甘草、当帰のエキスをゼラチンでまとめたもので、最初はスープを一口、次にこのボールを落として混ぜるとさっと溶け、たちまち磯の香りが立ち昇ってスープが変身!
この薬膳ボールは髙𣘺料理長のアイデアで、JASMINE広尾本店のコースに今年の4月から採用されているそうです。季節によりボールに使う材料も換えるというから、薬膳の理にかなっています。
そうそう、「薬膳」だからと薬臭いわけではありません。体にいい素材をおいしく調理して食べる、これが薬膳です。
ぜひJASMINE広尾本店に足を運んでみてください。髙𣘺料理長は積極的にメニュー提案をしているそうですから、ほかにも「ならでは」の料理に出会えるかもしれません。

当日のメニュー

- 主菜
A:穴子入り炒飯 B:キノコと鶏肉の炒め
- 前菜
豚バラ肉ニンニクソースかけ ウコン入り/レンコンのモチ米つめ/ゴウヤの四川挽き肉炒め - スープ
冬瓜と蜆の蒸しスープ 薬膳ボール添 冬瓜と蜆の蒸しスープ 薬膳ボール添 - デザート
わらびモチ入りココナッツミルク
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text 笠原宗彦
photo 長野秀紀