日本語はあまり通じなくても「いい人だな」というのは伝わってくる…。そんな中国人のサービスに胸キュンしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。サービスパーソンを紹介する人気シリーズに「山西亭」の李秀珍さん登場です!

アットホームなサービスに胸キュン!
なぜ私たちは「山西亭」へ向かってしまうのか?

“麺食のふるさと”と称される、中国山西省の郷土料理店「山西亭(さんせいてい)」。日本でなじみのある中国料理は、広東、上海、四川、東北料理などが多いため、山西料理とはいったいどのようなものか、イメージしづらいかもしれません。

そもそも山西省ってどこ?と言いますと、北は万里の長城を挟んで内モンゴル自治区、南は黄河を挟んで河南省と接する地域。小麦や高粱が収穫できることから、麺料理が豊富で、黒酢の醸造でも有名なところです。

山西省にある世界遺産の「平遥古城」は、明から清代末期まで山西商人の拠点として栄えた場所。清代には「票号」と呼ばれる為替業務を扱う商人の街として名を馳せました。

平遥古城さて、そんな山西省の味を提供する「山西亭」ですが、口コミサイトやSNS、ブログ等などに綴られている感想を見ると、初めて出合う料理への喜びの声とともに「サービスのお姉さんがやさしい笑顔で、気持ちよく利用できた」といったコメントも目に留まります。

その“優しい笑顔のお姉さん”が、写真の李秀珍(り しゅうちん)さん。私たちの山西料理デビューを優しくサポートしてくれる“店の顔”です。

山西亭の李秀珍(り しゅうちん)さん。

学生食堂、ホテル、病院、朝ごはん専門店…!
中華のサービスひと筋に20余年

秀珍さんのサービス歴は、山西省の省都・太原の招待所(宿泊施設)のレストランから始まり、ここでご主人との出会いも経て、これまで飲食一筋20余年。

「結婚して、太原の黄陵芸術学校に、夫と夫の両親と一緒に食堂開きました。ここは毎日200人くらいお客さん来たね。その後、山西大学でも食堂やりました。刀削麺と不烂子(ブランズ)が人気で、学生たち毎日食べに来たよ」。

じゃがいもを使った麺、不烂子(ブランズ)。

繁盛店を切り盛りしていても、新天地を目指す姿勢はさすが中国人。李さん夫妻は北京へ上京し、「釣魚台国賓館」の近くにある「裕龍大酒店」に勤めたのち、独立して海淀区の「海軍総合病院」の食堂を運営。お客さまの目の前で、自慢の刀削麺を削る店で人気を呼びます。

そんな2人が日本に来ることになったのは、2003年~04年のこと。福岡で働いていたご主人のいとこの声がけで、北九州の門司を皮切りに仕事を開始。のちに東京へ移って中国料理店、黒豚しゃぶしゃぶ店などに勤務。ご夫婦ともに日本の飲食店で経験を積みました。

日々は慌しく、故郷に残してきた息子も気になる…。そんな中、仕事を全うしながらも、二人が胸に抱いていたのは「いつか日本で山西料理の店を自分達で開き、故郷の味を広めたい」という想い。その夢が、ある日本人との出会いをきっかけに、花開くことに…!

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