「青島ビール」ロゴ
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地名の「青島」はピンイン(=拼音。中国語の発音記号)だと「Qīng dǎo(チンダオ)」なのに、なぜ「青島(チンタオ)ビール」は「TSING TAO」と、ピンインとは違う綴り方なのか、前々から気になっていたので調べてみました。

その答えは20世紀前半、清朝末期の中国に、西洋各国が続々と進出してきたことに遡ります。それらの国々とやり取りをするために、必要に迫られて誕生したのが、地名のアルファベット表記。その時に制定された表記方法が「郵政式拼音」で、今もその名残が残っているということなのです。

昔から変わることのない地名には、郵政式拼音の綴り方も残っているところがあります。また、地名をその名前に取り入れて、古くから存続している老舗もありますね。

例えば「北京大学」も、現在のピンインに基づいた「Bei jing(ベイジン) University」ではなく、郵政式の「Peking(ペキン)University」と、昔ながらの綴りを保っています。

 


text & photo 小杉勉