昨年6月、東京・高田馬場に、中国のいたる所にある世界最大の店舗数を誇るチェーン店沙県小吃がオープンしたことは、中国料理好きの間で大きな話題を呼び、今年の春節の横浜中華街店オープンも注目を集めました。
その人気にあやかるかのように、店名もメニュー構成もそっくりな日本沙県食坊が今年3月、横浜・伊勢佐木町にオープンし、5月には東京・御徒町に2号店をオープンと、沙県小吃とは逆に神奈川から東京に進出。
鹵肉飯(ルーローハン)、炖罐(蒸しスープ)、扁肉(ワンタン)、拌麺(まぜそば)など中心となる料理は同じようなラインアップですが、こちらの方が麺や一品料理の品ぞろえが若干豊富なよう。
特に気になるのが、お持ち帰りも可能な福建省名物の小吃、福建風バーガー(光餅夹)、揚げUFO(海蛎餅)、海苔と豚肉入り福建風バーガー(紫菜餅)。
ちょっと小腹がすいている時などに、これらを買って、すぐ近くのアメ横で食べ歩きなんてことも可能です。
しっかり食事をしたい時には、5種類あるセットメニューから選べば、単品の組み合わせよりも少しお安い価格設定になっています。
スープとのセットは、4種類のスープからお好みのものを選択可能。
今回選んだのは、内容盛りだくさんのCセット。
拌麺と蒸し餃子とスープのセット(拌面&柳叶蒸餃&炖罐)1,380円。
スープは、冬虫夏草の花と鴨肉の蒸しスープ(虫草花炖鴨肉罐)にしてみました。
3品揃った写真を撮りたかったのですが、まず先に拌麺とスープが運ばれてきました。
拌麺は平打ちの麺でに、ねっとりとしたピーナッツだれを、よく和えていただきます。
武漢熱干麺と同じくほとんど汁気が無く、間を置くと麺がくっついてしまうので、出て来たらすぐに混ぜた方がいいですね。
拌麺で持って行かれた口の中の水分を補おうと、スープをすくって飲むも、これが熱々なのであわてずに。鴨肉も骨付きなので、齧る時は慎重に。
オレンジ色のひょろっとしたものが、高級食材冬虫夏草の虫に寄生させないバージョンのキノコ虫草花。
同じく御徒町にできた、きのこ鍋専門店 何鮮菇(ホーシェング)のランチ火鍋にも入っていたやつですね。
そして最後に、餃子が蒸しあがってきました。
独特な包み方をしていますが、メニューの中国語表記を見ると、叶は葉の簡体字ですので、柳の葉っぱに見立てられているようです。
沙県老鼠蒸餃(沙県ネズミ蒸し餃子)という呼び方もあるみたいですが、柳の葉とネズミのどちらに見えますか?
小振りながらも、もっちりとした皮を、甘みのあるタレにつけていただきます。
本家本元の沙県小吃は、チェーン店とはいいつつも、つながりはゆるく、お店ごとに個性があるようで、湖南省で入った店も、写真では分かりづらいですが、パックマン風のロゴマークに沙県小吃の表記もあったので、正規店なのかなと思いますが、料理はこんな感じ。
いかにも大衆食堂といった風情。
こちらの日本沙県食坊は、店頭のキャッチコピーで中国B級グルメレストランと謳っていますが、それに続くこの旨さは本物!も伊達ではない、日中のいいとこ取りしたような、清潔感があってカジュアルに福建小吃がいただけるお店でした。
日本沙県食坊 御徒町店 住所: 東京都台東区上野6-3-14 (地図) アクセス:JR御徒町駅 北口 徒歩1分/地下鉄 仲御徒町駅・上野御徒町駅 A7出口はす向かい 営業時間:11:30~24:00 |
text & photo 小杉勉