麻辣火鍋チェーン店で見る「つけだれバー」はどう使う?奥深き「つけだれ」の世界
①辛くない火鍋 ②つけだれの世界 ③進化形麻辣火鍋 ④マツコ実食火鍋 |
日本の鍋料理には「育てる」文化があります。すなわち、クライマックスはラストシーン。最後に具のうまみを全て吸ったスープに麺やごはんを入れなければ締まらない!と思っている方も多いのではないでしょうか。
一方、中華圏の火鍋はそうとも限りません。むしろ、火鍋のメッカ、重慶市が誇る麻辣火鍋はその対局かもしれません。
なぜなら、鍋の素は出汁をとる食材ではなく、香辛料と調味料の風味を移した牛脂の固まり。そこにスープを注いだ火鍋の汁は、飲むものではなく、食材を香りよく煮るために存在しています。もし、この汁に麺を入れてすするようなら、咽せて大変なことに…!

また、北京の涮羊肉(シュワンヤンロウ)も、限りなく湯に近いもので羊肉をしゃぶしゃぶするので、鍋の中の水分は基本的に飲みません。
そこで、おいしく食べるための鍵となるのがつけだれです。言い換えれば、鍋とつけだれの両方があって、火鍋の味わいが完成します。
例えば、重慶の麻辣火鍋のつけだれであれば、焙煎ごま油、おろしにんにく、塩、香味野菜、黒酢などをベースにしたつけだれが基本。これが四川省になると、うまみとしてオイスターソースを加えたりします。
また、涮羊肉であれば、白ごまペーストやピーナッツペーストに、韮の花を発酵させた醤(ジャン)、豆腐を発酵させた調味料である腐乳など加わった濃厚なたれが定番です。


しかし、中華圏は広く、各地域や個人で味の好みは大きく異なるもの。さらにチェーン店の火鍋スープも麻辣一辺倒ではなく、トマトやきのこなどのバリエーションを用意しています。
こうなると、つけだれにも様々な組み合わせがあった方がお客様メリットがあるというもの。火鍋チェーン店特有の「つけだれバー」の普及には、このような背景があるのではないかと考えられます。
ちなみに、番組では「海底捞火鍋(かいていろうひなべ)」の「つけだれバー」をスタジオに再現し、マツコさんにつけだれ作りにチャレンジしていただきました。「いろいろあるからこそ迷う!」という方は、先ほどの一例を参考に作ってみてはいかがでしょう。
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