取引先との会食、あるいは家族や親戚、大切な人との記念日など、たまにはキチンとしたレストランに出かけるっていいですよね。
なかでも80C(ハオチー)でおすすめしたいのが、円卓を囲む中国料理の宴席。円卓は全員の顔が見え、声が中心に集まりやすいため、話題が分断されることなく、場を共にした皆の距離が縮まります。
しかし当日、慣れない場で「誰がどこに座ればいいの?」「お皿や回転テーブルの使い方って決まりがあるんだっけ?」と焦ってしまっては本末転倒。
いざというとき困らないために、知っていそうで知られていない「中国料理の食事マナー 基本のき」と「会食を成功させる、デキる幹事の心得」を、この道30年超の超ベテランホテルマンに教えていただきました。
※注:この記事では、日本のホテル・飯店(中国料理レストラン)におけるマナーを前提にご紹介しています。中国では地方によって取り皿の取り扱いなどが異なりますのでご留意ください。
◆指南役◆
グランドニッコー東京 台場 相武史さん
グランドニッコー東京 台場 料飲部 料飲課 統括支配人。
フレンチ、中国料理をはじめ、ホテルでのさまざまな食のシーンに携わること30年以上の超ベテラン。ホテルオークラ東京の名店「桃花林」では長年マネージャーを務めており、そのサービスは政財界から芸能界まで多くの常連客に支持される。
グランドニッコー東京 台場の「広東料理 台場 楼蘭」で愛してやまない一品は「ふわふわで絶品です」という「蟹の卵入りふかひれスープ」。
知っていますか?中国料理のマナーの嘘・ホント
日本料理では、テーブルにお皿を置いたまま食べるのはよいマナーではないとされますが、中国料理はお皿は置いて食べるのが基本。また、中国料理ならではの回転テーブル(円卓)にも、覚えておきたいマナーがいくつかあります。さっそくQ&A形式でご紹介していきましょう。
Q:中国料理では取り皿を持ち上げないって本当ですか?
A:はい。手で持っていいものは「湯のみ」と「お茶碗」だけ、と覚えておけば間違いありません。他のお皿は置いて食べるのが基本です。また、使い終えた取り皿は、自分の前の邪魔にならないところに置いておきましょう。重ねても問題ありません。日本のホテルのレストランであれば、基本的に料理ごとに新しい取り皿が運ばれてきます。
Q:食事中、お箸やレンゲはどこに置けばいいですか?置き方が店によって違うようです。
A:お箸やレンゲの置き方は、テーブルのスペースに応じて縦置き、横置きと店によって異なります。一般的には、縦置きの方が狭いスペースに箸やレンゲを並べることができますね。
箸などは最初に置かれていた場所を覚えておき、都度、そこに戻しましょう。レンゲは取り皿同様、料理の味が混ざらないよう、料理ごとに新しいものに取り換えてもらえます。
Q:開栓後の瓶ビールや紹興酒は、どこに置いておけばいいですか?
A:飲んでいる人の側に置きましょう。中央に回転テーブル(円卓)がある場合は、絶対にそこには乗せないこと。回したときに倒れないよう、背の高いものは回転テーブルにはのせないのがルールです。
Q:回転テーブルの使い方に決まりはありますか?
A:回転テーブルは、言うなれば“聖域”。料理がのった大皿、取り皿、カスターセット(塩、胡椒などの調味料セット)など「みんなで共有するもの」だけを置く場所、と心得ておきましょう。食べ終えた皿やコップなどはのせないのがマナーです。
また、回転テーブルは時計回りが基本。料理をとった人は左隣りの人へ回していきましょう。ホスト役の人が料理を取り分ける場合は、円卓にのせて食べる人まで回してあげるといいですね。その際も時計回りをお忘れなく。
お茶のおかわりがほしいときのスマートな作法「ポットが空になり、お茶のおかわりが欲しい時は、ポットのフタを少しずらしておくのがサービスマンへの合図。これは中国でも共通のルールです。 また、サービスマンや隣の人が湯のみにお茶を注ぐ際、指でテーブルをトントントンと叩けば『ありがとう』の意味に。これも中国でも通じるスマートなふるまいです。おかわりが必要ないなら、手で湯のみにふたをするしぐさで伝えましょう」 |
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