蘭州「馬子禄牛肉面」の牛肉面

そばやうどん、すし店以上に、日本全国津々浦々、どの街にもあるラーメン店。もはや日本の国民食となったラーメンですが、広大な中国でも、至るところで見かける国民食的ラーメンがあります。

その麺の名は蘭州拉麺(らんしゅうラーメン)。昨年、神保町に「馬子禄(マーズルー)」が出店し、その存在を知った方もいらっしゃるはず。今や日本にも、北は福島県から南は福岡県まで、蘭州拉麺を看板に掲げる店が続々オープンしています。

しかしなかには「コレジャナイ感」があるものもあるらしい。では、本場の蘭州拉麺は、いったいどんな風味なのでしょう。

中国に行くたび食べたいと思いつつ、やはり蘭州拉麺は蘭州に行って食べなきゃ始まらないだろう…と我慢すること数年。蘭州拉麺を食べ比べるためだけに、発祥の地・甘粛省蘭州市に足を運んだ80C(ハオチー)特派員のマサラが、現地の麺を徹底レポートします!

80C特派員のマサラです。旅を中心としたライフスタイルで、短くても旅先に1週間以上は滞在。今回は得意の中国語を生かして蘭州に行ってきました!

蘭州拉麺(らんしゅうラーメン)とは?

蘭州拉麺の発祥は、その名の通り甘粛省蘭州市。200年以上の歴史を誇り、牛肉を使った麺であることから、現地では牛肉面(ニュウロウミィェン)と呼ばれています。

そのスタンダードは「一清(クリアなスープ)、二白(大根)、三紅(辣子)、四緑(パクチーと葉ニンニク)、五黄(黄色く艶やかな麺)」を備えていること。清真料理(ムスリムの料理)なので、豚肉は使わず、スープは牛骨と牛肉からとっているのも特徴です。

今回は蘭州市のさまざまな蘭州拉麺を訪れましたが、どの店もこの条件を守っており、見た目はほとんど同じでした。ただ、味は驚くほど違っていたのです(これはのちほど)。

蘭州市「搭山半坡」の蘭州拉麺
蘭州市「搭山半坡」の蘭州拉麺

また、最大の魅力ともいえるのは、目の前で作り上げる手打ちの手延べ麺。蘭州拉麺には太さや形の異なる麺が10種類ほどあり、注文時に好みを伝えると、職人が目にも止まらぬ速さで注文通りに仕上げてくれます。

なかでも人気があるのは、冷麦くらいの太さで断面が丸い「細」と、ニラの葉のような平打ち麺「韮葉子」。私は今回、同じ条件で食べ比べるために、すべて「細」で注文しました。

蘭州市「金翡翠牛肉面」の「細」麺。
蘭州市「金翡翠牛肉面」の「細」麺。

さらにこだわりのある店では、蓬灰から作られた天然の鹹水(かんすい)を配合して生地を練っているところも。蓬灰の鹹水は、工業的に作られた鹹水と比較すると、独特の香りとツルっとした食感、コシが楽しめると言われています。

 

日本の蘭州拉麺のブームの火付け役「馬子禄牛肉面」本店

こうした基本情報を踏まえ、最初に訪れたのは、日本の蘭州拉麺ブームの火付け役「馬子禄牛肉面(马子禄牛肉面:マーズルーニュウロウミィェン)」の本店。100年以上の歴史を誇り、国から認められた老舗「中国老字号」に認定された超有名店です。

蘭州市「馬子禄牛肉面」の外観。
蘭州市「馬子禄牛肉面」の外観。

马子禄牛肉面 (馬子禄牛肉麺:マーズルーニュウロウミィェン)
住所:城关区张掖路大众巷86号(地図
営業時間:6:30~14:30

私にとってこの店は、2007年に初回放送されたNHK BSのテレビ番組『関口知宏の中国鉄道大紀行』で観て以来、ずっと憧れていた牛肉面館。蘭州を代表する老舗ということもあり、今回はここの味を基準にして食べ比べをスタートしました。

 

蘭州拉麺の注文方法

「馬子禄牛肉面」は蘭州市内に何店舗かありますが、本店は1階は麺だけサッと食べて帰るような席、2階はちょっと高めのセットメニューが食べられる旅行客向けの席の配置。1階の注文はセルフサービスで、他の店も基本的に同じシステムです。

現地で伝わる!オーダーの仕方

「馬子禄牛肉面」のメニュー。

①注文して食券をもらう
入店したら、入口付近のカウンターで注文します。日本の蘭州拉麺店は牛肉も入っていますが、蘭州では別オーダー。牛肉麺1杯+牛肉の場合は「牛肉面1碗、加肉」です。

②食券を持って厨房窓口へ行く
食券をもらい、厨房窓口に行って、食券を渡して好みの麺の太さを伝えます。細麺で辣油控えめの場合は「細面、不要太辣」、辣油不要の場合は「不要辣椒」。

③受け取って席へ!
できた麺を窓口で受け取り、麺を持って好きな席について食べます。

※メニューにある优质牛肉面の「优质」とは「上質な」という意味。トッピングの牛肉(8元/1皿)は、ほとんどの店でメニューには書いていないので要注意。上記は地元の人を真似したオーダー方法です。

 

一清 二白 三紅 四緑 五黄。蘭州拉麺の基本、ここにあり!

蘭州市「馬子禄牛肉面」の「牛肉面」。
蘭州市「馬子禄牛肉面」の「牛肉面」。

こうして受け取ったどんぶりを上から見てみました。すると、見事に蘭州拉麺の特徴である「一清 二白 三紅 四緑 五黄」がここにあるじゃありませんか!

スープは透き通っていて、口に含むとあっさりと上品な感じ。麺は思っていたよりもコシがあり、それでいながらモチッとした歯ごたえがあります。

しかし辣油はけっこうな辛さ。香ばしさがあって、最初は「おいしい~」と感激していたものの、最後の方は辣油の味しかわからないほどに。辛さに弱い方は辣油を控えめにしましょう。

また、トッピングの牛肉は別皿で提供されます。そのままだと若干パサついているので、スープに浸して食べるのがおすすめです。しっとりとしますよ。

蘭州「馬子禄牛肉面」の「醤牛肉」1皿8元。メニューにはありませんが、地元の方は皆「加肉」と言ってオーダーしていました。

 

カップ麺をお土産に!本店で買うとオトクです

中国の口コミサイト『大衆点評』を見てみますと、全国展開し、さらには外国に進出して有名になり、すっかり観光客向けの店に成り下がり味も落ちた…というコメントもちらほら見られた「馬子禄牛肉面」。

しかし実際に食べてみると、普通においしいと思いましたし、初めて蘭州を訪れるのであれば、訪れておきたい店のひとつではないでしょうか。

ちなみに同店ではカップ麺も出しており、店内で販売もしています。価格は10元ですが、街中のスーパーだと12~15元ほど。気になる方は店で買う方がおトクです。

「いやいや、お店で食べるできたての牛肉面が8元なのに、10元のカップラーメンなんて売れるわけないじゃん!」

そう思いながら、買ってしまう旅行客がここにいました。

蘭州市「馬子禄牛肉面」のカップめん。
蘭州市「馬子禄牛肉面」のカップめん。

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text & photo マサラ

参考サイト:百度(兰州牛肉拉面)

中華・高橋が作るよだれ鶏のタレ
日本橋古樹軒

※情報は掲載時のものです。内容は後日変更される可能性がありますので御了承ください。

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