今年の人気記事を振り返ってみれば、来年のトレンドも見えてくる…!? 中華専門ウェブマガジン『80C(ハオチー)』で、2020年最も読まれた記事をカウントダウンで一挙紹介!コロナ禍にあった今年のランキングは、例年とはちょっと様相が違います。
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【ランキングの算出方法】2019年12月27日~2020年12月22日の期間を対象に、80CウェブサイトのPV(ページビュー)とスマートニュースをはじめとする記事配信先のPVを合算。1記事が複数ページに渡る場合、トップページのPVをカウントしています。

10位|トータル1万kcal超?横浜中華街のマイベスト月餅を探せ!

高カロリーな月餅だけど、みんなで食べれば怖くない…! 10位は連載「横浜オールド中華探訪」の特別企画、月餅食べ比べ&ドリンクとの相性考察記事がランクイン。心躍る月餅を求めて、月餅が苦手な点心師、茶館店主、80C編集者およびライター陣が集い、横浜中華街14店舗15種類の月餅をすべて実食。月餅はもらったり買ったりするけれど、好みの味は見つからない…。そんな月餅難民のみなさんにお届けする渾身の1本!(2020年9月27日更新記事|原稿:ぴーたん 撮影・編集:サトタカ)

参考記事|横浜オールド中華探訪ALL

9位|武漢名物!熱干麺が銀座で食べられる「珞珈壹号(かっかいちごう)

ANAや春秋航空の直行便が飛んでいたにもかかわらず、日本では知名度がなかった都市・武漢。その名を一躍有名にしたのが新型コロナウイルスでした。と同時に、めきめきとPVが上がったのが湖北料理店「珞珈壹号」。中国四大麺に数えられる武漢名物、熱干麺(ルーガンミィェン)を食べたいなら銀座へ!(2018年10月15日更新記事|原稿・撮影・編集:サトタカ)

8位|中華メニューの解読法

都内のあちこちにある中国人経営&中国人料理人店舗。店によっては、メニューは中国語でお客さんはほぼ中国人のみというところもありますが、そんなとき役に立つのが80Cの字引的コンテンツ。調理用語や食材名を、簡体字&ピンイン、繁体字、日本語漢字&カタカナ読みで網羅しているので、これがある程度わかるようになると中国料理への理解が高まるはず。将来行くであろう中国旅行の予習にもおすすめです。(2014年4月1日更新記事|編集:コスギ)

中国・重慶市のとある店の看板。この地域ならではの食材もありますが、比較的メジャーな四川料理が揃っています。

7位|手抜き万歳!中華干し肉・腊肉(ラーロウ)を手軽に作る

冷え込む季節にぜひ作ってほしい、中華干し肉・腊肉(ラーロウ)。漬け込んだり、燻製をかけたりする本格的な作り方も紹介していますが、今年は腊肉の手抜きバージョンを多くの方に見ていただきました。作り方は本当に簡単で、塩とスパイスをしっかり揉み込み、肉にハンガーやフックや紐を通して冷涼なところに吊るすだけ。家に肉が干してある愉悦を味わった後は、切って焼いて食べて、至福のひと時をお約束します。(2017年3月14日更新記事|原稿・撮影・編集:サトタカ)

左が五香粉バージョン、右が羊名人風味の腊肉(ラーロウ)。

6位|重慶名物・水煮魚が看板料理「翠雲(すいうん)」が上野にオープン

今年東京で最も現代中国を感じさせてくれた店、それは上野の「翠雲」ではないでしょうか。鯉をはじめ、魚はまるっと太ったやつを1本から。煮え滾る麻辣香の油の中で、踊る切り身を取り出しながら食べる特製の水煮魚(シュイジュユィ)は必食です。中国で流行った練炭型の炒飯は、ファイヤー見たさに頼んでしまう人が続出。どの料理も見た目も味もパンチが効いていて、印象に残ること間違いなし!(2020年9月11日更新記事|原稿・撮影:アイチー 編集:サトタカ)

翠雲特製水煮魚。おおよそ1鍋5000円ですので、4~5人でどうぞ。

参考記事|発表★ノージル賞2020|ノージルが分泌されるこの店この料理5選

5位|『ミシュランガイド東京 2020』中華料理店ラインナップ

80Cでは毎年いち早く掲載店をご紹介している『ミシュランガイド東京』。どちらかというと検索で読まれることが多く、毎年じわじわとPVを伸ばしていく記事です。現在は最新バージョン、中華ではじめて三つ星が出た2021年版も更新済。合わせてご覧ください。(2019年11月27日更新記事|原稿・撮影・編集:サトタカ)

4位|羊名人の使い方

80Cで企画して商品化された「羊名人(ようメ~じん)」。今年は販売店が増え、家で料理をされる方も増えたせいか、例年以上によく読まれた記事が「羊名人の使い方」でした。さらに今秋には「羊名人ふりかけ」(写真左)も新登場。羊肉のみならず、惣菜などを魅惑のスパイシークミン味に変貌させる計画は着々と進行中…!(2014年11月2日更新記事|原稿・撮影・編集:サトタカ)

日本橋 古樹軒オンラインショップ(楽天市場店直営店

3位|失敗しない広東式しょうがミルクプリン「薑汁撞奶」のレシピ

緊急事態宣言で休校が相次ぎ、全国の給食の牛乳の行き場がなくなってしまったことからご紹介したこちらの記事。2020年Twitterのランキングでも5位になった広東式しょうがミルクプリンの作り方が、PVランキングでは3位にランクインしています。生姜の絞り汁に温かいミルクを注いで蓋をすると、ぷるんと固まる…!そんなミラクルレシピはこちらからどうぞ。(2014年6月5日更新記事|原稿・撮影・編集:サトタカ)

2位|池袋のハラール中華「阿麗婭 アリヤ 清真美食 民族風味」で牛の髄と羊湯を味わう

年の瀬も近くなり、2020年中に旅行の目処は立たず、異国への欲求の行きどころをどうしたら…?というところに投下されたこちらの記事。ご覧いただいた方、記事をシェアされた方、足を運んでいただいた方が大勢いらした「阿麗婭 アリヤ 清真美食 民族風味」が2位にランクイン。入口からエキゾチックな雰囲気が漂い、料理はハラール中華。昼から牛の骨髄をすすり、火勺(焼き餅)にかぶりつけます。(2020年11月14日更新記事|原稿・撮影:アイチー 編集:サトタカ)

1位|ビャンビャン麺専門店爆誕!西安麺荘 秦唐記 神保町店

今年話題を呼んだ中華料理といえばビャンビャン麺でしょう。専門店となる「秦唐記」が3店舗に増え、セブンイレブンが「西安風うま辛香油麺ビャンビャン麺」を発売。10月には渋谷西武の秋の企画「偏愛食堂」で、80Cのライターとしてもおなじみの愛吃(アイチー)がビャンビャン麺をプロデュースするなど、多くの人の目に触れる機会が増えました。

80Cでは2018年からビャン黎明期の情報発信に努めてきましたが、マイナーバンドがいきなりメジャーデビューしてしまったような眩しさがありますね。中国の一地方の麺ですが、画数の多さとユニークな名前も手伝って、さらに人気を獲得していきそうな勢いです。(2020年2月10日更新記事|原稿・撮影:アイチー 編集:サトタカ)

参考記事|ビャンビャン麺の記事ALL

2020年PVランキングまとめ

ランキングは例年同年に公開された記事を対象としていますが、コロナ禍の2020年は、80Cのすべて記事を対象とした方が今年らしい動きが見えたことから、集計方法を変えてご紹介しました。

今年、他の年に比べて多くご紹介したのは、家で楽しむ中華料理です。緊急事態宣言で牛乳の行き場がなくなり、しょうがミルクプリンのレシピ手づくり杏仁豆腐のレシピが見られたり、家で料理をする人が増えたことで、手抜き腊肉(ラーロウ)や中国東北料理の定番・地三鮮(ディサンシェン)を「作ってみたよ!」とSNSに投稿される方も続々。レストランでは、武漢が注目されたことで熱干麺の記事が読まれるといった流れもありました。

じゃがいも、なす、ピーマンだけでこんなにうまい!地三鮮がこちら。

なかなか出かけにくい年でもありましたが、昔も今も手打ち麺は人を動かしますね。振り返ると、山西省の刀削麺、甘粛省の蘭州牛肉麺ときて、今は陝西省のビャンビャン麺という流れ。麺に限らず、1人で食べることができ、手軽で廉価な料理80CのTwitterでもたびたび話題に。ランキングには入りませんでしたが、お持ち帰りを主体とした点心や肉まん専門店も注目を集めました。

改良を重ねてつゆだくの肉まんに!「小薇点心」

参考までに、上記の総合ランキングには入らなかったものの、2020年に公開し、よく見られていた記事は以下の通りです。

【点心新店】肉汁爆弾!肉まんの進化形「爆汁ポークまん」が凄すぎる…!中野富士見町「小薇点心」
【中国全省食巡り15】発酵の酸味と英知!中華の概念を変える、貴州省貴陽市で食べるべき料理3選
【横浜中華街】これは事件だ!腕利き香港人シェフと「福龍酒家」仮店舗の実力
【レシピ】中国一ごはんが進む野菜料理「地三鮮(ディサンシェン)」を教わってきた
【横浜中華街土産】クーラーボックス必携!今、横浜中華街で買うべきお土産【点心・煮込み料理編】
【横浜食べ歩き】ツールドチャイナ横浜|1day食べ歩きルートマップ!伊勢佐木町・蒔田・中華街
【肉まん新店】重慶・四川で修行した店主が包む「肉まん研究所」が荒川区三河島にオープン

「福龍酒家」チーフの勇姿。香港映画からそのまま出てきたような達人の風格!

来年も海外旅行などはしばらく実現できなさそうなことから、異国を感じる空間や、本格的で手軽な小吃などは人気が続きそう。また、飲食を取り巻く環境は変化したものの、ここ数年でオープンした人気店の予約が取りにくいのは以前と変わらず。外食は「流れで食べに行ったり飲みに行ったりする」ではなく「狙いを定めて食べに行く」傾向が加速するかもしれません。

今後も世の中の動きを見つつ、楽しい中国料理情報を提供していきたいと思いますので、2021年もよろしくお付き合いください!


TEXT:サトタカ(佐藤貴子)
データ集計:コスギ(小杉勉)